ゴルフは大人になってから始める人が多いといわれています。どのようなきっかけで始める人が多いのでしょうか?

ほとんどのゴルファーが大人になってから始める

 学生時代に何かしらのスポーツを始めた人は、「イチロー選手に憧れた」、「キャプテン翼の漫画を読んでやってみたいと思った」などきっかけとなった出来事があるはずです。

 どの業界でも、実力とスター性を兼ね備えた華のある選手が出てくると盛り上がります。最近では、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)優勝に大きく貢献してMVPを獲得した大谷翔平選手が最たる例で、多くの子供たちがプロ野球選手を目指すきっかけとなったことでしょう。

大人になってから周りに影響されてゴルフを始める人が多い 写真:ShutterStock
大人になってから周りに影響されてゴルフを始める人が多い 写真:ShutterStock

 ゴルフの場合は、学生時代から部活動に所属していたという人はごく少数で、多くは大人になってから嗜み始める傾向にあります。では、ゴルフはどのようなきっかけで始める人が多いのでしょうか。レッスンプロの三浦辰施氏は以下のように話します。

「私がレッスンをしている生徒さんは、周りがやっているから付き合いで始めたという人が多いです。一昔前は、会社に入ったから問答無用でゴルフを始めざるを得なくなったという人もいましたが、今は滅多にいません」

「『テレビでゴルフを見てやってみたいと思った』、『練習場でボールを打っているのが楽しそうだから』という理由の人は、私の経験上では全体の5%程度しかいないと思います。周りに影響されて始める人が多いです」

 レッスンを受けに来る人のなかには、「来週ラウンドに行くことになったから、とりあえず基礎だけ教えて」とクラブを握ったことがないにもかかわらず、先にラウンドの予定を決めて始める人もいるそうです。

イギリスは小さいころからゴルフに触れる機会が多い

 三浦氏は「日本は普通に生活していたらゴルフに触れる機会はほとんどないので、幼少期から始める人が少ない」と話します。

「野球やサッカーの場合は、ルールが曖昧であっても学校の休み時間や授業でプレーするので親しみがあります。そこで周りの子たちよりもうまくプレーできれば、本格的に始めるきっかけにもなると思いますが、ゴルフはそもそも体験する機会すらありません」

プロを目指しているジュニアゴルファーの多くは身内の影響でゴルフを始める 写真:AC
プロを目指しているジュニアゴルファーの多くは身内の影響でゴルフを始める 写真:AC

「そのため幼少期からゴルフを始める人のほとんどは、親や兄弟など身内からの影響が大きくなります。私自身も『ゴルフやってみたらセンスあるからプロを目指してみよう』と考えたわけではなく、おじいちゃんの遊び相手から始まり、ゴルフ部に入部することが決められた状態で練習していました。プロを目指しているジュニアゴルファーの多くは、身内の影響でゴルフを始めています」

 しかしイギリスでは、幼少期からゴルフに触れる機会が多くあるそうです。

「実はイギリスでは、地域やNPOのプログラムを通して子どもの頃からゴルフをプレーする機会が多いです。ドライバーを振り回すとかではなく、アプローチやパターのショートゲームからターゲットスポーツとして体験します。なので、アプローチとパターは幼少期にうまくなって、大人になってもっと飛ばしたいからドライバーを練習して、本コースデビューする人もいます」

 ゴルフは大人が嗜むスポーツというイメージもありますが、礼儀作法やメンタル面を鍛えるという意味では学生にとっても学びがありそうです。

 また三浦氏はゴルフ仲間がいない人は、インドアの練習場で体験してみるのがオススメだと話します。

「周囲にゴルフをプレーする人がいない状態で、屋外の練習場に行ってボールを打つのはハードルが高いと思います。練習場は独特な雰囲気があるので、レンタルクラブなどがあるにせよビギナーが気軽にフラッとは立ち寄りづらいです」

「インドア施設の場合は、レッスンを受ける場所という認識なのでビギナーでも入りやすいです」

 インドアゴルフは駅前などで店舗を構えて無料レッスンを行っているところもあるので、ゴルフをプレーしてみたい人は体験してみると良いでしょう。

ピーコックブルー