ゴルフクラブを購入する際、実物を手に取れて試打することができる「リアル店舗」にこだわっているゴルファーもたくさんいます。そんな時に「行くべき店」と「避けるべき店」はあるのでしょうか? 筒康博コーチに聞きました。
パターはネットよりもリアル店舗で手に取って購入すべき
クラブ購入時に大型ゴルフショップへ行くと、その豊富な品ぞろえに圧倒される人も多いと思います。ドライバーからパターまで、気軽にクラブを手に取ったり試打することができます。

特に、構えた時の見た目やフィーリングが重要なパターは、価格優先のネットショップで購入するより、リアル店舗で現物を手に取ってみることをオススメします。店内に広々としたパッティンググリーンがあれば、様々な距離で転がりやフィーリングなどを確認できます。もし自分の使っているボールがパッティンググリーンにあれば、より購入後の状態に近い試打ができるのもオススメです。
注意点があるとすれば、「入る=購入すべきパター」ではないことです。あくまで個々のクラブの構えやすさや打感など、「自分の好み」を軸に手に取ってみてください。
「行くべき人気店」は「放置しない」けど「しつこくない」接客をしてくれる
全国のゴルフショップで行われるイベントに行くなど、普段から量販店を利用していると、たくさんのゴルファーに支持される「行くべき人気店」と「避けるべき店」には品ぞろえの豊富さ以外にも違いや特徴が見られます。
購入を考えているゴルファーとしては、「少しでも安くに購入したい」、「きちんと選びたい」、と思う反面「恥ずかしい」、「腕前を見定められたくない」という気持ちもあります。

事実、今でも「ヘタクソは試打するな」的なムードを出すゴルフショップも残念ながら存在します。
購入するだけならネットショップの方が気楽で便利ですが、モデル選びやスペック選びに迷った場合はショップ店員など専門家の意見も気になるものです。
「PGA TOUR SUPERSTORE」をはじめ、豊富な品ぞろえと広大な売場でじっくりとモデル選びやクラブ散策が出来る大型ゴルフショップはスタッフの接客サービスも丁寧です。常にキャンペーンやイベントがあるだけでなく、ゴルファー目線で「放置しない」けど「しつこくない」接客もオススメ。プライベートでプロゴルファーの来店が多いのも頷けます。
商品の「購入後メリット」を語ってくれるゴルフショップが◎
近年は、ゴルフショップだけでなくクラブメーカーの直営店などでもフィッティングが受けられるようになりました。
例えば「ピンのG430が欲しい」のなら、ピンの直営ショップや認定フィッターが在籍するショップで相談した方が納得できると思います。しかし、「どのメーカーにしようかな?」と購入メーカーやモデルの方向性が定まっていない場合は注意が必要です。
各メーカー協力のもと、数百本の中から選べる大型ショップの豊富な品ぞろえには圧倒されてしまいますが、限られた時間の中で試打やフィッティングできる種類は限られています。

自分の好みや傾向を伝えられなかったり、ショップ店員のペースに飲まれてしまうと、購入する・しないに関わらず「本当にこれでよかったかな?」と後悔しまう可能性もあります。また、フィッティングやスタッフの話が頭に入ってこず「どうせ売りたいだけでしょ」と疑り深くなってしまうなら、メーカー直営サイトのレンタルサービスを利用した方がいいでしょう。
もし、「自分では購入したいクラブが合っているのか分からない。だから見て欲しい」と思うなら、しっかりとショップ店員にミスの傾向や試打時の感想など素直にぶつけてみて下さい。
「行くべき人気店」のスタッフであれば、インドアでの試打データだけに固執することなく「参考データ」として適切な解説をしてくれるはずで、腕前を見て急にレッスンやスイングの話をしたりはしないはずです。
また、試打クラブの追加をお願いしても混雑している時間帯でなければ嫌な顔は絶対にしません。しかも、最新クラブでよい結果にならなければ、中古クラブからも提案もしてくれるかも知れません。
もし試打やフィッティング中に少しでも「避けるべき店」と感じたときは、「セカンドオピニオン」的に他のゴルフショップに向かいましょう。「試打したら購入しなくちゃいけない」というゴルフショップは令和のご時世にありませんし、気に入っていないならスタッフにゴリ押しされる必要もありません。
ゴルフクラブの購入は決して安い買い物ではないので、せめて接客サービスが納得できるゴルフショップで購入するようにしましょう。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。
猿場トール