先日のAT&Tバイロン・ネルソンで5年ぶりとなるPGAツアー優勝を果たしたジェイソン・デイ。そのセッティングを調べると、意外なクラブを使っていることが分かりました。

元の契約先テーラーメイドのクラブが大半を占める

 2015年の全米プロでメジャータイトルを獲得したジェイソン・デイは、同年9月に世界ランキング1位になり、ゴルフ界の頂点に立ちました。しかし、その後は腰痛に苦しみ、世界ランキングも100位以下まで落ちました。

 近年は話題になることも少なくなっていましたが、今シーズンは前半戦から好調をキープして先日のAT&Tバイロン・ネルソンで5年ぶりとなるPGAツアー優勝を達成。そのセッティングを調べると、意外なクラブを使っていることが分かりました。

10年以上前のパターを使って復活優勝したジェイソン・デイ 写真:Getty Images
10年以上前のパターを使って復活優勝したジェイソン・デイ 写真:Getty Images

 長年テーラーメイドとクラブ契約を結んでいたデイでしたが、20年シーズン終了後に契約フリーとなりました。それ以来、ドライバーはピンを使うようになります。今シーズンは序盤戦では「G430」を使い、優勝した試合では「G430 LST」にスイッチしていました。

 またウェッジは一時期「アーティザンウェッジ」を使っていましたが、昨年から「ボーケイ・デザイン」を使うようになり、現在は52度と56度を「SM9」にして、60度は「ウェッジワークス」にしています。

 そして残りの11本は今でもテーラーメイドを使っています。

 アイアンは一時期「ミズノ」にしていましたが、現在は「P770」と「P7MC」。そしてフェアウェイウッドは「SIM MAX」と「ステルス」です。

 セッティングの中で最も意外だったのは7番ウッドを使っていることでした。昔からジェイソン・デイはユーティリティーを使わずにロングアイアンを好む選手でした。15年頃は2番アイアンを使っていて、2020年シーズンまでは3番アイアンを入れていました。しかし、現在は「ステルス」の7番ウッドを入れてアイアンを4番アイアンからにしています。

 どんなに周囲の選手がユーティリティーを使い始めても、頑なにユーティリティーを使わなかったのですが、35歳になった今は7番ウッドを入れることでユーティリティーの距離をカバーするようになりました。

 そしてパターは21年以降、「オデッセイ」や「トゥーロンシリーズ」を使っていましたが、今シーズンは10年代前半に使っていたテーラーメイドの「イッツィービッツィースパイダーゴースト」(2011年モデル)にしてから3パットが激減。全盛期に使っていたパターに戻したことが、復活優勝につながる大きな要因になりました。

2023 ジェイソン・デイの最新セッティング

1W:ピン G430LST(ロフト/9度)3W:テーラーメイド SIM MAX(ロフト角/15度)7W:テーラーメイド ステルス(ロフト角/21度)4I:テーラーメイド P7705I-PW:テーラーメイド P7MCAW、SW:ボーケイ・デザイン SM9(ロフト角/52度、56度)LW:ボーケイ・デザイン ウェッジワークス(ロフト角/60度)パター:テーラーメイド イッツィービッツィースパイダーゴースト

野中真一