緊張して力が入ることがミスショットの大きな原因。朝イチのティーショットやベストスコアが出そうな場面など、どうしても肩に力が入ってしまいます。そうした場面でアマチュアに共通する特徴は、ルーティンが遅くてスイングが早いこと。どんなことを意識すれば防げるのでしょうか。
ゆっくり振ってもミスは防げない
朝イチのティーショットやベストスコアが出そうなときなど、緊張する場面でミスする経験は誰にでもあると思います。そんなときは、ゆっくり振ることを意識しているという人も多いかもしれません。しかし、ミスの原因は打つ前にあるようなんです。

プロコーチとしても活躍する南秀樹プロが主宰する「3.7.3(ミナミ)ゴルフアカデミー」(香川県)の坂口悠菜コーチは、ルーティンにかける時間を意識してほしいと言います。
「ミスする人の傾向として、スイングスピードが早くなる、いわゆる手打ちのほかに、ルーティンの時間が長過ぎることがあります。アドレスに入るまでの時間が長く、アドレスに入ってからの時間も長い。たぶん本人は無意識だと思いますが、原因は考えすぎ。それでいて、緊張している場面では結果を早く見たいものだからスイング自体が早いなってしまいます。どれだけゆっくり振ろうと意識していても、リズム良くスイングするのは難しくなりますね」
対策として、坂口コーチは動画を撮ることをすすめます。
「ラウンド中にスイング動画を撮影することがあると思いますが、その際にアドレスからフィニッシュまでだけじゃなく、ルーティンから撮影してもらってみてください。そうすることで、普段のいいリズムでスイングできているときに、自分がルーティンでどれだけの時間をかけているのかが分かるはずです。ルーティン自体のやり方や長さは人それぞれでいいと思いますが、その基準よりも長くなり過ぎないことが、緊張した場面でナイスショットを打つポイントになります」
坂口コーチの場合、素振りは1回で、アドレスに入ったら時間をかけずに始動する。これを緊張した場面でこそ徹底しているそうです。
「ゴロでいい」と開き直る気持ちも大事
また、緊張した場面ではルーティンを含めて、なかなか落ち着いてスイングすることは難しいので、そんなときはゴロでもなんでもいいのでとにかく前に飛べばいいと開き直ることも大切だと言います。
「緊張していると視野が狭くなり、コースもより狭く見えてしまったりします。プロや上級者ももちろん緊張しますし、特に上半身に力が入りやすくなります。だからと言って、下半身を使おうとしてもなかなかアマチュアの方には難しいことです。そんな時はとにかくコースの幅に飛べばいいと思って振流ことです。真っすぐに曲げずに打とうと思わず、許容範囲を広げてスイングしましょう」
「上半身の力を抜くには下半身を積極的に使うことも効果的です。ショット前に足踏みしながら素振りをするのがおすすめです。ぜひ試してみてください」
ショットの成否は打つ前に決まっていると言えそうです。
e!Golf編集部