昨年は21歳103日という史上最年少で年間女王&賞金女王のダブルタイトルを獲得した山下美夢有。今シーズンもすでに2勝をマークし、メルセデスランキングでもトップに立っています。山下のエースパターは地元・大阪の地クラブメーカー、リアライズの「スクワッド プロトタイプ」でしたが、5月はじめから、オデッセイの名器「2ボールブレード」に替えていたことが分かりました。

「替えたというよりも使い分けている感じです」

 昨年は21歳103日という史上最年少で年間女王&賞金女王のダブルタイトルを獲得した山下美夢有。今シーズンもすでに2勝をマークし、メルセデスランキングでもトップに立っていますそんな山下のセッティングを調べると、5月1週からパターを替えていたことが分かりました。

「ホワイトホットOG 2ボールブレード」を使って優勝した山下美夢有 写真:Getty Images
「ホワイトホットOG 2ボールブレード」を使って優勝した山下美夢有 写真:Getty Images

 山下のエースパターは地元・大阪の地クラブメーカー、リアライズの「スクワッド プロトタイプ」でした。昨年の最終戦もリアライズのパターで優勝し、今季も開幕戦から同じパターを使っていました。しかし、5月のメジャー初戦、ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップからオデッセイの「ホワイトホットOG 2ボールブレード」に変更しています。変更の理由について、山下は次のように明かしました。

「替えたというよりも使い分けている感じです。『サロンパス』のときにグリーンが速くて繊細なタッチを出さないといけないので、操作性が良いモデル(2ボールブレード)に替えました」

 すると、パターを替えた直後のサロンパスカップで7位タイに入り、翌週のRKB×三井松島レディスではプレーオフの末に2位タイ、そして先週のブリヂストンレディス」では2位に7打差をつけて圧勝しました。ただし山下自身はパターを替えた効果がてきめんに出たとまでは捉えていないようです。

「パターに関してはそんなに関係ないという感じなんですけど、普段からタッチを重視してやっています。今週は決めたところに打つことができて、タッチが良かったので入ってくれた感じです」

 昨年のセッティングと比較すると、パター以外にもアイアンとウェッジをニューモデルにアップデートしました。アイアンは「ZX5」から「ZX5 MkII』に、ウェッジは「RTX ZIPCORE」から「RTX6 ZIPCORE」になっています。山下は富士フイルム・スタジオアリス女子オープンで優勝したときに、新アイアンについて次のように話していました。

「アイアンは構えたときの感覚がすごく良かった。新しくしましたが、昨年と変わらないプレーができています」

 女子ゴルフの世界では賞金女王になった翌年にスランプになったり、けがをする例が見受けられますが、山下は2年連続女王も十分視野に入る順調なシーズンを送っています。

 実は昨シーズンも山下はシーズン中盤までは「ホワイトホットOG 2ボールブレード」を使って3勝し、終盤戦から「スクワッド プロトタイプ」で2勝しています。今シーズンも自分の調子やコースセッティングによって2本のパターを使い分ける“二刀流”がうまくいっているようです。

2023 山下美夢有の最新セッティング

1W:スリクソン ZX5 MkII(ロフト/8.5度 シャフト/スピーダーNXグリーン)3W、5W:スリクソン ZX フェアウェイウッド MkII(ロフト/15度、18度 シャフト/スピーダーNXグリーン)4U、5U:スリクソン ZX ハイブリッド MkII(ロフト/22度、25度 シャフト/スピーダーTRハイブリッド)アイアン:スリクソン ZX5 MkII(番手/6I-PW シャフト/ダイナミックゴールド)AW、GW、SW:クリーブランド RTX6 ZIPCORE(48、52度、58度 シャフト/ダイナミックゴールド)パター:オデッセイ ホワイトホットOG 2ボールブレード

野中真一