上級者のほとんどは値の張る高性能なボールを使用しているイメージがあります。経験の浅いうちからゴルフボールにはこだわりを持っておくべきなのでしょうか。

最初はボール代を浮かせてレッスンや練習代に

 ゴルフは道具を使ってプレーするスポーツなので、自分に合ったクラブや高性能なボールを使用することも好スコアを狙うためには必要です。しかし、高性能なボールは1球500円以上することも珍しくありません。

初心者のうちはロストボールで十分と考えがちですが……
初心者のうちはロストボールで十分と考えがちですが……

 ショットが安定しないゴルファーの場合は、崖にボールが落ちたり池ポチャすることが頻繁にあるため、1球打っただけでボールを失ってしまうことが多々あります。

 どうせすぐになくすなら、安価で販売されているロストボールを購入したほうがコストは安く抑えることができますが、ショットが安定しないアマチュアゴルファーであってもボールにこだわりを持つべきなのでしょうか? レッスンプロの三浦辰施氏は以下のように話します。

「ラウンド経験が浅くショットが安定しないビギナーの場合は、そこまでボールの性能は気にしなくていいと思います。高性能なボールを使用する目的は、『飛距離をより出したい』『スピン量を多くしてグリーンにピタリと止めたい』など、ある程度ショットが安定して打てるようになったゴルファーがネクストステップとして求める部分です」

「まともにボールが打てないゴルファーであれば、性能の良し悪しに関わらず使いこなすことはできないので、格安のボールを購入して浮いたお金を練習代に回すのがおすすめです」

 昨今では、1ダース1500円(税込み)の格安ボールがワークマンから販売されていたりもするので、新品のキレイなボールを使用したい人は安価なものを探してみましょう。

 また、ロストボールのなかには高価なボールだけを集めて袋詰めしたものも販売されているので、価格を抑えて少しでも性能にこだわりたい人にはおすすめです。

まずは高価なボールでなくていいので銘柄を揃えること

 しかし、三浦氏は一定以上のスコアを狙っていくのであれば、どこかのタイミングでボールの質にこだわる必要があると話します。

「やはり一定以上のスコアを出しているゴルファーは全員『ボールにこだわり』を持っています。毎回メーカーとブランドが違ったり劣化具合が違ったりすると、ショットの正確な距離感を把握することは困難です」

「例えばピッチングで100ヤードを打つゴルファーの場合、新品で高性能なボールだと110Y飛ぶ、劣化した性能の悪いボールだと80Yしか飛ばない、といった現象が起こります。少し極端な話ですが、30ヤード距離感を見誤れば1ホール1〜2打は多く打つことになるので、ミスショットをしていないのにスコアが悪くなるという現象が起きます」

「特にパターを含めたショートゲームは距離感が重要であり、アマチュアがスコアを縮める鍵を握っている部分なので、『このクラブ、このボールで打つと、このぐらい飛ぶ』ことを1ヤード単位で把握できると、スコアは大幅にアップします」

 高性能なボールでなくても、ボールメーカーとブランドを統一して番手ごとの正確な距離感を把握しておくことが大切です。プロゴルファーや上級者は、だいたい1年間は同じ銘柄のボールを使い続けて距離感の基準をつくっていくそうなので、数カ月単位でメーカーやブランドを替えるのは避けたほうが無難です。

 少し高価な新品ボールを使用すると「ロストしないように自然と安全なコースマネジメントを考えるようになる」という効用もあるそうなので、思い切って高性能なエースボールを決めるのもありかもしれません。

ピーコックブルー