練習場で素振りをする際、ゴムティーを打つゴルファーは多いはず。しかし、「素振りとしての効果」として考えると限定的でしかありません。そのうえ、練習場のティーを無意味に破壊する迷惑行為にもなるので自分のためにも施設のためにも注意が必要です。
ゴムティーを「雑に打つだけ」では絶対に上達しない!?
練習場で素振りをする時、目の前のゴムティーを打つゴルファーは意外と多いはずです。しかし、気持ちよい打感に任せて「雑に素振りをするだけ」なら、上達メリットが無いどころか「百害あって一利なし」です。

まずゴムティーは「どこを」、「どんな」風に打っても、ほとんど打感が変わりません。当たる時にフェースがどちらを向いていても、ゴムティーのどんな高さを打ってもほぼ分かりません。ですから、実際にボールを打ってトップやシャンクしても仕方がないです。
ボールは「ヘッド軌道」、「ボールの当たった場所」、「フェースの当たった場所」で弾道が決まります。初めてゴルフクラブを握った超初心者に「イメージ」を伝えるなら分かりますが、経験者の上達につながるのか? というとかなり限定的。しかも、そもそも「ティーアップ」のためにあるものを打つ必要はありません。
練習場の備品を破壊する行為にもなりかねないので注意してください。
ドライバーで素振りするなら「ゴムティーの上をかすめる」ように
ドライバーの素振りでは、ゴムティーから離れすぎると後ろの打席の人に迷惑がかかる練習場もあります。

ティーアップしてショットを行うドライバーでゴムティー素振りをするのなら、「上をかすめるように」して、ボールを置く場所をヘッドが通過するようにしてください。
もちろん、フェースの真ん中がゴムティーの真上を通過した方が「芯に当たる準備」になることはいうまでもありません。
ボールを置けば「隠れダフリ」の治療法になる
練習場の人工芝マットでは、アイアンやウェッジでダフってもヘッドが滑ってしまいナイスショットとの違いに気づかないゴルファーもいます。
そんな悪癖を直すために、あえてティーアップして人工的なツマ先上がりを作る練習方法もあります。

目的はあくまで「ダフらない」ことなので、最悪トップしてもOKと考えて下さい。あくまで治療法なので、たくさんやれば上達するワケではありません。ナイスショットが出るまで練習するというよりも、人工芝マットでも「ダフれば自分で分かる」ようになればOKです。
ゴムティーをアイアンやウェッジで真っ二つにしてしまうことは、ゴルファーにとっても練習場にとっても「全くのムダ」なのでくれぐれも避けてください。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。
猿場トール