【音楽に注目!新作レビュー】
劇場版『四畳半タイムマシンブルース』

大学生の飾らぬ日常とともにストーリーの骨格となるのは、主人公の「私」こと「田村くん」と、同じ映画サークルの明石さんの恋の行方だ。序盤はあくまで憧れの対象である明石さんへの想いを成就させたいと願う気持ちが、クーラーのリモコンを中心としたタイムリープのドタバタの過程でどのように帰着していくのかが見どころ。過去と現代、そして未来を行き来して見えてくるものは「今ここ」を悔いのないように生きることである、というシンプルだけれど大切なメッセージが胸に迫ってくる。

四畳半タイムマシンブルース』

©2022 森見登美彦・上田誠・KADOKAWA/「四畳半タイムマシンブルース」製作委員会

時空を越えた冒険に加えて、ふたりを取り巻く映画サークルの面々の人物造形の面白さ、自主映画撮影の裏側を覗き見しているような設定、そして舞台となる京都の風物詩が随所に差し込まれ、観たら京都に行きたくなること請け合い。あたかも鴨川の岸辺で心地よい風になびかれているような、清々しい気分を味わえる。

劇場版『四畳半タイムマシンブルース』,画像

©2022 森見登美彦・上田誠・KADOKAWA/「四畳半タイムマシンブルース」製作委員会

ASIAN KUNG-FU GENERATIONの主題歌「出町柳パラレルユニバース」が物語のエモーションをさらにかき立てる。本作のキャラクター原案を担当した中村佑介はこれまで一貫してアジカンのアートワークを担当してきただけあり、相性は言わずもがな。現行の欧米シーンで主流となっている骨太でラウドな輪郭を持つサウンド・プロダクションに加え、リリックには随所に京都にちなんだキーワードが盛り込まれているほか、メンバーがキャラクターに扮したミュージック・ビデオもコミカルな仕上がりとなっているので、合わせてチェックしてみてほしい。

文:駒井憲嗣

 

『四畳半タイムマシンブルース』作品情報

あらすじ・ストーリー

8月12日、灼熱の京都、左京区。

「下鴨幽水荘」唯一のエアコンが動かなくなった。悪友・小津が昨夜リモコンを水没させたのだ。

「私」が、映画サークル「みそぎ」のクールビューティー明石さんと対策を協議していると、モッサリした風貌の見知らぬ男子学生・田村が現れた。彼は25年後の未来からタイムマシンに乗ってやってきたという。そのとき「私」に天才的なひらめきが訪れた。

マシンで昨日に戻って、壊れる前のリモコンを持ってくればいいじゃないか!

しかし、小津たちが勝手気ままに昨日を改変、過去を書き換えていく。世界消滅の危機を予感した「私」は、慌てて止めに入るが、時すでに遅し!

果たして、無事リモコンは、日常は、取り戻せるのか!?そして、「私」と明石さんの恋の行方は――?

「昨日」と「今日」の、世にも迂闊なタイムマシンの無駄遣いが始まる!

劇場版情報

公開表記: 9月30日(金)より3週間限定全国ロードショー
配給:KADOKAWA/アスミック・エース
©2022 森見登美彦・上田誠・KADOKAWA/「四畳半タイムマシンブルース」製作委員会

ディズニープラス配信情報

・「四畳半タイムマシンブルース」9月14日(水)より独占先行配信(配信限定エピソード含む全6話順次配信)
・「四畳半神話大系」全11話、映画『夜は短し歩けよ乙女』配信中

【CAST】 浅沼晋太郎 坂本真綾 吉野裕行 中井和哉 諏訪部順一 甲斐田裕子
佐藤せつじ 本多 力(ヨーロッパ企画)

【STAFF】 原作:森見登美彦・著、上田誠・原案 『四畳半タイムマシンブルース』(角川文庫/KADOKAWA刊)
監督:夏目真悟 脚本 :上田誠(ヨーロッパ企画)
キャラクター原案:中村佑介 音楽 :大島ミチル
主題歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION 「出町柳パラレルユニバース」(Ki/oon Music)
アニメーション制作:サイエンスSARU
製作:「四畳半タイムマシンブルース」製作委員会
公式サイト:https://yojohan-timemachine.asmik-ace.co.jp
公式Twitter:https://twitter.com/4andahalf_tmb @4andahalf_tmb