守りたいものが、少女を少し強くする

女優・文筆家としても活躍の小川紗良監督の長編初監督作『海辺の金魚』。

高校生時にモデルデビュー後、19歳で初主演を果たした映画『イノセント15』(2016年)がインディーズ映画では異例の4か国の映画祭で上映されるなど話題となり、2019年にはNHK連続テレビ小説『まんぷく』に主人公夫婦の長女・立花幸役として出演した小川沙良。2020年11月公開の本広克行監督の映画『ビューティフルドリーマー』では主演をつとめ更なる飛躍を果たしている。

女優として活躍する傍ら、早稲田大学在学中には是枝裕和監督の授業を受講し映画を学ぶ。その後、自主製作でメガホンをとった3作品全てが映画祭で入選を果たすなど監督しても高い評価を受けている。本作はそんな小川紗良の商業映画デビュー作品で、完全オリジナル作品。
小川未祐主演,映画海辺の金魚,画像
小川紗良監督が親善大使をつとめる鹿児島県阿久根市の全面協力を得て2019年に撮影された本作。様々な事情で親元を離れて暮らす身寄りのない子供たちが暮らす家を舞台に、社会的偏見から周囲の目から逃れるように生きる18歳の主人公・花が、8歳の少女・晴海との出会うことで、少しずつ変化してゆく心情と前に進もうとする姿を、悠久の自然と対比し、その成長を包み込むように暖かく丁寧に切り取っている。

主演・小川未祐が、揺れ動く18歳の少女・花を熱演

小川未祐主演,映画海辺の金魚,画像
主演の花を演じるのは小川未祐。小川紗良監督の3作目『最期の星』に出演し、今作で二度目の参加となる。

また、花を世話する児童指導員・タカ兄役を芹澤興人、花の同級生・貫太役を福崎那由他が演じ、花の母親役を山田キヌヲが演じる。主要キャスト以外は実際の阿久根市民が参加、出演している。花が心を通わせる晴海役は、現地オーディションで小川監督によって見初められた花田琉愛が演じている。

小川未祐主演,映画海辺の金魚,画像

小川監督の創作活動に魅了された一流のスタッフ陣が本作に集結。撮影監督は『誰も知らない』など多くの是枝裕和作品に山崎裕、オフィシャルスチールは写真家の川島小鳥。主題歌には元チャットモンチーの橋本絵莉子が楽曲を提供している。
小川未祐主演,映画海辺の金魚,画像

監督・脚本・編集:小川紗良コメント

初めての長編映画を撮りました。『海辺の金魚』というタイトルです。金魚は海では生きられません。観賞魚として退化したからです。それでも、私はもう一度海へ連れ出したいと思ったのです。映画の主人公が、私が、そしてあなたが、自分自身の人生を歩み出せるようにと祈りを込めて。そこに在るだけで説得力のある瞳を持っている、主演の小川未祐さん。人物の心の機微をそのままに捉えてくださった、カメラマンの山崎裕さん。私自身のルーツでもある鹿児島県阿久根市の自然と人々。未熟者の私には贅沢すぎるほどの人に恵まれた夏を、生涯忘れないでしょう。映画を作る最後の人は、観てくださる皆様です。どうかスクリーンで見届けてください。

主演:小川未祐コメント

家族や友達、恋人など、大事な人のことを想うと、理由もなく涙が出てくることがあるが、そこにはきっと、なんの見返りも求めない無償の愛が存在しているからだと思う。それと同じような想いを、この映画に感じています。あの夏に生きていた、小さな逞しい、いのちの光たちが、皆さんのもとに届けられることを心から嬉しく思います。

■関連記事:映画『脳天パラダイス』小川未祐さんインタビュー

『海辺の金魚』予告動画

あらすじ

身寄りのない子供たちが暮らす家で育った18歳の花(小川未祐)は、そこで暮らせる最後の夏を迎えていた。そこに8歳の少女・晴海(花田琉愛)が入所してくる。かつての自分を重ねた花は、晴海と過ごすうちに今までに無かった感情が芽生えてゆく。

キャスト

小川未祐
花田琉愛 芹澤興人 福崎那由他 山田キヌヲ

監督・脚本・編集

小川紗良

主題歌

橋本絵莉子『あ、そ、か』(Sony Music Artists Inc.)

撮影:山崎 裕 録音:島津未来介 美術:菊地実幸 安藤秀敏 衣装:田口 慧
ヘアメイク:入江美雪希 制作担当:望月ひかる 音楽:渡邊崇 効果整音:高木創 スチール:川島小鳥
グラフィックデザイン:多田明日香 助監督:石井将
企画・プロデュース:小出大樹 共同プロデューサー:岡田真 佐藤現
特別協力:鹿児島県阿久根市・阿久根市フィルムコミッション

配給:東映ビデオ
公式HP:umibe-kingyo.com
©2021 東映ビデオ
小川未祐主演,映画海辺の金魚,画像

2021年6月25日公開
新宿シネマカリテ シネ・リーブル梅田 鹿児島ミッテほか