輝きを失った世界にはルールがあった。

小説家の「私」は、葬式の帰りに「高橋」に誘われて、土手沿いに住む「女」の元に行く。「私」は目覚めると、帰る場所もわからず、「女」の家に居座ることになる。思い出せない記憶、不味い食事、ぬるい風呂……輝きを失ったこの世界にはルールがあった。

インディーズ映画ならでは自由な視点で、普遍的なテーマを描き続けてきた監督・渡邉高章は、本作では、男女の一つの最終形として、「夫婦」の姿にスポットを当てている。夫婦とは? その単純な問いかけは、映画をラブストーリーにも、ホラーにも、サスペンスにもしている。

主演はインディーズ映画に愛されてきた星能豊とカイマミ。そして、これまでも渡邉高章監督作品において重要な役割を果たしてきた舟見和利、小林美萌、狗丸トモヒロ、佐藤勇真、由利尚子、そして、松井美帆が脇を固める。音楽は、映像や舞台のみならず「ドラゴンボール改」などTVアニメにも楽曲提供をしている音楽家の押谷沙樹。

国内では、第10回日本芸術センター主催映像グランプリでグランプリ、湖畔の映画祭2019で主演俳優賞(星能豊)を受賞。その後、アメリカ、ロシア、イギリス、ルーマニア、フィリピンなど海外映画祭を巡業するように上映され、受賞を重ねて、アップリンク吉祥寺及び横浜シネマリンにて上映中。全国順次公開される。

7日(土)に公開記念舞台挨拶を開催しました。

冒頭、星能は、「昨日も沢山の方に来て頂いて、今日もお越し頂いて嬉しいです。少しずつですが、本作を沢山の人に見て頂けたらと思います」、カイマミは、「昨日無事に初日を迎えまして、皆様と共に同じ時間を共有できることを嬉しく思っています」と挨拶。

星能は記憶をなくした小説家役。「ステレオタイプ的な感じで、帽子をかぶっていて、揺れるようなコートを着ているとは思っていたんですが、実際に劇中に出てくる小説を渡邉監督に書いて頂いて、それを読んでから脚本を読みました。『自分が書いた小説のことがそのまま自分に起こる』という面白いお話なので、小説家ということには重きを置かず、現場やお芝居をしている時の時間の進み方を楽しみながら過ごしました」と回答。

カイマミは、記憶をなくした小説家が出会う<女>役。「主演の<男>、<女>として出ているんですけれど、他の方もいらっしゃって、群衆の中の一人の、ただの女性と捉えました。具体的にどういう人ではなく、群衆のバランスを見た時に、ただ『いち女がそこにいる』というようなことを考えて演じておりました」と話した。

監督は、「お二人とは2013年の作品のオーディションで初めてお会いし、長い付き合いがあります。
『土手と夫婦と幽霊』を作るにあたって、脚本の時点から女役はカイマミさんしかいないと思って書き始め、(脚本完成後)キャスティングするにあたって、わかり合っている役者さんである星野さんをキャスティングしました」とキャスティングの経緯を説明。

星能は、「渡邉さんの作品を観て、すごくいい映画を撮られる方で、オーディションを受けたら、そのオーディションは落ちてしまったんです。途方に暮れているところを別の作品で声を掛けて頂いてからの付き合いです。現場でそんなに演出しない方で、役者に信頼を寄せてくれています。役者が劇中で良い役でも悪い役でも、そのキャラというか役者をすごく愛して寄り添って撮影をしてくれるので、悪い人でも悪く見えない、映画愛を感じる方です」と監督の魅力を語った。

見どころを聞かれ、星能は、「僕とカイマミさんはもちろんなんですけれど、他の役者さんも上手い方ばかりで、演技合戦も見所です」、カイマミは、「『人間らしくもがいた先にと』いうところを見て頂ければと思います」、監督は、「自分が作ったストーリー、世界観、演出の前に俳優さんを見て頂きたいと思っています。星能豊、カイマミを始め、自分の作品にこれまで携わってくれた俳優さんに今回出てもらったんですけれど、できるだけいい表情を撮ろうと思いました。」と見どころを挙げた。

最後に星能が、「パンフレットに渡邉さんが書いた小説の一部が掲載されていまして、映画を見た後に、もしよろしければパンフレットをご購入頂いて、読んで頂ければと思います」と話すと、監督も、「、今日の3人のインタビューと、音楽の押谷沙樹さんのインタビューと、テーマ曲の譜面も掲載された、写真もふんだんに使ったパンフレットになっています」とアピールし、舞台挨拶は終了した。

あらすじ

小説家の「私」は、葬式の帰りに「高橋」に誘われて、土手沿いに住む「女」の元に行く。「私」は目覚めると、帰る場所もわからず、「女」の家に居座ることになる。思い出せない記憶、不味い食事、ぬるい風呂……輝きを失ったこの世界にはルールがあった。

キャスト

星能豊  カイマミ
佐藤勇真  小林美萌

監督・脚本・撮影・録音・編集

渡邉高章

製作

ザンパノシアター

配給宣伝:アルミード
公式HP:https://www.dotefufu.com/
© 2021 zampanotheater

8月6日(金)よりアップリンク吉祥寺ほかにてロードショー