金井純一監督&中田乃愛さん
【インタビュー】

9月23日(木)から公開中の映画『マイ・ダディは、意外にもムロツヨシさんの映画初主演作。そして、ムロさん演じるの御堂一男の娘・ひかりを演じたのは、第8回「東宝シンデレラ」オーディション ファイナリストの新星・中田乃愛さん。

今回は、本作の公開を記念して金井純一監督と中田乃愛さんにお話を伺いました。ムロさんとの共演について、「芝居面では大先輩。でも映画の中では、大嫌いだけど大好きなお父さん」と、その微妙な関係性を演じるのは難しかったそうですが、金井監督の手腕と最高の環境を整えたスタッフの皆さん、そして金井監督曰くピンチの時に「超パワーが出る」というムロさんの熱演が、この秋、スクリーンに感動を届けます!!それでは、金井監督と中田さんのインタビューをご覧ください!

写真,画像,金井純一監督

金井純一監督

中田乃愛,なかたのあ,写真,画像

ひかり役の中田乃愛さん

―― とても素晴らしい作品で、何度も中田さんとムロさんには泣かされました。
この作品には色んなエッセンスが込められていると思いますが、ストーリーを作っていく中でどんなテーマを映画に込めたかったのでしょうか?

金井純一監督(以下、金井監督)
今回に限らず、色々な映画があると思うし、撮りたいテーマも沢山あるんですけど、やっぱり今回のストーリーはヒューマンドラマだし、親子の話でもあるし、家族の話でもある時に、最終的には“希望”を描きたいと思ったんです。

勿論、どの映画も希望を描くべきだとは全然思っていなくて、バッドエンドの映画も好きです。ただ、今回は色んな人に観て欲しいし、希望を描きたい時に、抽象的かもしれないけどどうしても「愛」というのが、どの映画にもつきまとう。困難を乗り越えていくかとか、大変な目に遭ったりとか。それをどうやって人は乗り越えていくのか。その時に、どうしても「愛」が欠かせない要素だと思っていたし、それは男女の愛だけじゃなく、親子でも、兄弟でも、他人でも。僕の中で何かを描こうとして、最終的な希望を描くとか、困難を乗り越えていくとなったら、どうしても「愛」がないと人間を描きづらい。それはドラマの場合なんですけどね。

アクション映画とかホラーとか他のジャンルにとってはなくても全然良いと思うし。ドラマとか僕の描きたい「葛藤」を描こうとした時には、「愛」が必然的に出てくる。じゃあ、その愛は抽象的だけど、今回のストーリーに合わせるとしたらどういう愛があるのかなって考えて作っていったと思います。

―― かなり愛に迫る作品だと思いました。具体的に「愛とは何か?」みたいなところを掘り下げているように感じます。

金井監督
今回は特にそうですね。僕のテーマでもあるんですけど、そもそも「愛って何ですか?」と言われても難しいし、ここに具体的にあるわけではない。それを映像でどう描いていくかは凄くチャレンジでもあったし、見えないからこそどうやったら映像で表現出来るんだっていうのが、今回のストーリーでより描けそうな気はしたんですよね。

―― 一瞬のものか継続するものなのか、形があるのかないのかみたいなのも含めて、中田さんとムロさんが通じる間に愛というものの雰囲気というか、形を一生懸命監督が迫って作ろうと描き出そうとしているように感じました。理屈ではなくて確かに演技を通じてワァーっときたので。何度も泣けてしまって凄く感動しました。
そして中田さんは大役ということで、相当緊張されましたか?(笑)でも、作品の中では凄く自然で、年頃の中学3年生ぐらいから高校生ぐらいのお父さんに対して「うるさいなぁ」とか思っているちょうどいい娘を演じていらっしゃいました。ムロさんとの掛け合いが一番多かったと思うんですけど、中田さんから見たムロさんは完全にお父さんだったと思うんですけど、どういう存在でしたか?

映画 『マイ・ダディ』,画像,中田乃愛

中田乃愛さん(以下、中田さん)
あたりまえですが私にとってムロさんは大先輩です。でも作品の中では、大嫌いだけど大好きなお父さん。どっちかに偏らずにどっちの気持ちも持っているのが凄く難しくて。でも、監督は私に色んな可能性を含みながら選んでくださりながら、お芝居のアドバイスやご指導をしてくださったので、大変勉強になりました…ありがとうございました(笑)

金井監督
もう少し盛っても大丈夫、まだまだ(笑)

ムロツヨシ,映画マイ・ダディ,画像

―― 難しいシーンで「監督どうしましょう?」みたいなやりとりもあったわけですか?

中田さん
泣くシーンだったり、どうにもならなくて色んな想いが交差しているシーンなどは、なかなか自分の感情がうまく出せないでいると、監督が一回一回とても丁寧に見てくださって。“こうしなければ、ああしなければ”と結構考えてしまうタイプなのですが、“思い切ってやろう!”という気持ちで出来たのは、そのお陰なのかなと思います。

―― 二人がピンチを迎えるシーンでは、お父さんと抱き合った時に涙は出ていないように?見えましたが、それもやっぱり自然に見えるところが良かったです。

金井監督
あそこは苦戦したんです。あれは全員が苦戦して、中田さんも苦戦したし、僕も苦戦したし、撮影部も照明も苦戦したんです。唯一、時間が間に合わなくて、全員悶々として帰った。

中田さん
私も“ちゃんとできなかった”と。

金井監督
なんだけど、やっぱりちゃんと感情が入っていて、涙はほしいシーンだったけど、あの時にムロさんがメチャクチャいい表情しているし、監督がOK出した時はOKって思ってもらえばいいよ(笑)

中田さん
レッスンの時に、「監督のOKはOKだと思わない方が良い」って言われたことが…。

金井監督
思わなくてもいいけど(笑)、OKだった時は、逆に今みたいに観た人が「良かった」って言ってくれることがムチャクチャあるから。ただ、全部が全部じゃないから「やっぱあのシーンちょっと上手くいかなかったですよね?」って言われることもある。でも、今回みたいに我々が一番悔しいと思ったところだけど、でも通して見るとやっぱり通っていて逆にそれが良かったっていうのもあるんです。

―― 中田さんの気持ちなのかもしれないですね。無理に泣くこともないし、泣ける時には自然だし、その時に気持ちさえこもっていれば、表情に出ているその姿がとても良かったのかもしれません。

中田さん
ムロさんがいてくださったからです…。

金井監督
ムロさんの力もね。こういう時にムロさんのパワーが超出るんですよ。流石だな!って(笑)

―― 中田さんの魅力っていうと自然なところとか、当然オーディションの中で中田さんに決めたポイントもあったと思うんですが、この映画の作品作りを通じて監督は改めて女優さんとしての魅力に気付かれたと思います。中田さんの魅力はどういうところですか?

中田乃愛,なかたのあ,写真,画像,金井純一監督

金井監督
今のところ似たようなタイプの女優の方は知らないというのと、10代で子役からやってないよね?

中田さん
14歳からなので、4年前ぐらいです。

金井監督
4年前が昔かどうかわからないけど(笑)

芝居の癖がない。多分、癖が出来ないタイプの女優さん。女優さんによっては教わったら“こうした方が良い”と思って、その型にはまっていく。下手ではないし、上手いんですけど、その上手さが迫ってくるか、感情的に届くかというとそうでもなくて。よく言われるのが、俳優は世の中の仕事で唯一プロが素人に負けるみたいな仕事なんです。どんな方でも、何も知らない素人と芝居をした時に、そっちの方が良いとなる時がある。

だからこそ芝居は面白いと思うんですけど、中田さんの魅力としては、作り上げて完璧な芝居をするタイプではなくて、自然体だけど考えていないわけじゃなくて、考えて自然体に持っていけるのが芝居としてはベストだと思っていて。それを本人の意図するしない関わらず、素質としてある。

芝居の好き嫌いにもよると思うのですが、僕の好きな芝居としては映画の中だけど実際にそこにいる女の子として存在してほしいし、佇まいや喋り方も含めて、もうすぐそこで会えそうというか、映画観終わった後もどこかで生きているような登場人物にしたい。その感じが凄くあったのと、中田さんのような女の子が感情をむき出しにしたら一番グッとくるかなって思ったところです。

中田乃愛,なかたのあ,写真,画像,金井純一監督

―― ムロさんは色々な作品で拝見しているので、そのムロさんのカラーと、全くどういうリアクションをするか分からない中田さんの組み合わせが凄く良かったです。
泣いてしまったシーンの中で、ムロさんとの掛け合いは当然のことながら、彼氏がひかりの前で泣いた病院のシーン、あそこも泣いてしまいました。彼の感情の爆発は、もうあの世界に入っていたのだと思いますが、あのシーンの時はどんな感じだったんですか?

中田さん
私の方が嬉しくなっちゃって。それだけ自分のために泣いてくれる、抑えてていたものをバァーって出してくれるくらい想っていてくれていたわけで、ひかりにとっても凄く大事な存在だから、これからも二人で生きられる未来があることに対して、ひかりも俊介君も嬉しかったと思うんです。私はずっと(背中を)さすっていたんですけど、そこから感じる温もりが凄く愛おしいと感じました。

―― 演技というよりは本気で泣かれていたんだなって感じました。
先程は愛について話をお聞きしましたけど、試練というキーワードもあったと思います。この作品を通じて愛や試練について、改めて監督はどういうものだと考えていらっしゃるのでしょうか。

金井監督
試練がなくなったことがない、毎日試練(笑)

ただ、“試練を越えた先に次のステップがある、っていう風に思えたらいいけどね”っていうことが多い。でも、それは確実にそうだと思うんです。何か大変なことがあった時に、それをポジティブに考えるというか、それがあるからこそ自分が変われるとか、次の違う世界が見えてくる。

それも簡単なことではないなっていうのがある中で、それとは別に映画の仕事、撮影の仕事って試練ばっかりなんですよ、人生以上に(笑)“マジかよ!”っていうことばっかりなので、それは完全にポジティブに捉えられます(笑)それこそ準備段階から、撮影の時も、雨も降ったりするじゃないですか。天気(予報と)違うじゃん!とか。それは試練だけど、越えた先により良くなることがある。映画の現場において試練ばっかだけど、それは乗り越えたら完全に良いものになると思えているけど、自分の人生においてはそうはなかなか思えないぞっていうのが「試練」です。映画の中では試練は乗り越えられる。

―― 作品について監督や皆さんの人柄が伝わってくるも一つの楽しみですよね。最後に、作品の見所を含めて皆さんにメッセージをお願いします。

中田さん
作品はもちろん愛が溢れている物語なんですけど、この作品を撮っていたスタッフさんや監督、キャストの皆さん達が作品に愛を持っていらして、本当にこんな幸せな現場があるのかというぐらいとても素敵な現場でした。そういう愛もこの作品から多分伝わるのではないかなと思います。それから、ひかりの色々と段階を踏んで変化していくところに注目してほしいです。さっきも(監督が)愛について語ってらっしゃいましたが、色んな愛があると思うので、そこはこうだと決めつけないで、この映画を観ていただけたらと思います。

金井監督
まず、今まで見たことのないムロさんのオンパレードだと思っているので、是非ムロさんのファンの方に観ていただきたいし、ムロさんのことを知らない方が観てもこの俳優はスゴイと思ってもらえると思います。勿論、中田さんの演技もムロさんと親子として見事に演じ切ってくれたので、まずその二人のお芝居!

プラス、他の共演者の方の皆さんも大変難しい芝居を120%出してもらったと思っています。そういう皆さんの素晴らしいお芝居の中で、愛がテーマにある中で、何を信じるか信じないか、皆さんが自分のことのように思ってもらえると思うので、映画を観る前と観た後で世の中の見え方が多少違って、一歩前に進める。自分が困難に遭った時に“一歩頑張ってみよう”と思ってもらえるような映画になったと思うので、と難しいことを言っているようですけど、ふらっと観に来てください!

―― ありがとうございます!!

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中田乃愛,なかたのあ,写真,画像 中田乃愛,なかたのあ,写真,画像 中田乃愛,なかたのあ,写真,画像 中田乃愛,なかたのあ,写真,画像 中田乃愛,なかたのあ,写真,画像,金井純一監督

スタイリスト:金野春奈
ヘアメイク:塩山千明

『マイ・ダディ』特報映像

あらすじ

小さな教会の牧師・御堂一男(ムロツヨシ)は、中学生になる一人娘のひかり(中田乃愛)とふたり暮らし。

一男は、優しくて、面白くて、お人好しで、誠実な人。8年前に最愛の妻を亡くしてから、“苦労がない”と言ったら嘘になるし、“すごく裕福”とも言えないけれど、娘とふたりで穏やかな日々を送っている。“牧師”というみんなから慕われる仕事もあって(儲からないけど…)、自分を頼りにしてくれる職場もあるし(バイトだけど…)、そして何より、可愛い娘が素直な子に育ってくれている(今はちょっぴり難しい年頃だけど…)。

だから一男は、幸せだった。娘が病に侵されるまでは・・・・・。

キャスト

ムロツヨシ
奈緒 毎熊克哉 中田乃愛
臼田あさ美 徳井健太(平成ノブシコブシ)永野宗典 光石研
ムロツヨシ
小栗旬

監督

金井純一

脚本

及川真実 金井純一

配給:イオンエンターテイメント
制作プロダクション:ROBOT
幹事:カルチュア・エンタテインメント
公式HP:mydaddy-movie.jp
公式Twitter:@mydaddy_movie
公式Instagram:@mydaddy_movie
#映画マイダディ
(C)2021「マイ・ダディ」製作委員会

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