弁護士から馬術の障害飛越競技選手になった男の真実の物語を描く「世界にひとつの金メダル」の大ヒット祈願イベントが6月5日、東京・アキバシアターで開催され、 フィギュアスケーターの安藤美姫が出席。物語にちなんだ馬術用のファッションで登場した安藤は「選手だけでなく、周囲でサポートしてくれる方々の人生観もしっかりと描かれていることに感銘を受けました。様々なメッセージがぎゅっと凝縮されていて、愛の美しさを感じとれる作品です」とアピールしていた。

 仏俳優ギョーム・カネが主演と脚本を兼ねた本作は、フランス人エリート弁護士のピエール・デュラン(カネ)が、築き上げたキャリアを捨て、若馬ジャップルーとともに五輪出場に向けて奮闘するさまを描く。実際のデュランは、1984年のロサンゼルス五輪と88年のソウル五輪に出場し、ソウル五輪では金メダルを獲得。93〜98年には、フランスの馬術連盟会長を歴任した。ジャップルーは、競技馬として数々の賞を獲得し、デュランとともにフランスで国民的人気を誇った。

 「もう1度見たい」と本作をかなり気に入った様子の安藤は、「1回目は字幕に集中しすぎてしまって。(2回目は)表現する者として、人物の表情をきちんと見ようと思っています」とニッコリ。9歳の時から初めたフィギュアスケートは「一度も嫌いになったことがない」とほほ笑み、現役を引退しプロのスケーターとして活動する今では「小さいころから子どもたちに教えるのが夢だったんです。いつかは、性別年齢関係なくフィギュアスケートの楽しさを教えられるようなコーチになりたいですね」と展望を明かした。

 06年のトリノ、10年のバンクーバーと2度の五輪を経験している安藤は、20年開催の東京五輪に挑む新世代のアスリートたちに向けて「夢に向かって動いている人は、例え結果が出なくても輝いています」とエール。「努力すること、感謝すること、壁にぶつかってしまうこと、その全てが美しいと思う。そして周囲の期待に応える前に、まずは自分自身に勝たないといけない。“エンジョイ・ユア・ライフ”です」と話していた。

 イベント後の取材では、4月に現役引退を表明した浅田真央、韓国のキム・ヨナといった選手たちと「同じ時代にリンクに立てたことは幸せだった」としみじみ。「自分も一段上にいかないといけなかった。私たちの時代は選手のキャラが濃かった気がします。浅田さんは妖精のようにクリアなイメージ、ヨナは強さを持っていました。選手として初めて『その中で自分がどうしたらいいのか』ということを考えられたので、感謝しています」と現役時代を振り返っていた。

 「世界にひとつの金メダル」とは、クリスチャン・デュゲイがメガホンをとった。6月17日から東京・YEBISU GARDEN CINEMA、シネマート新宿ほか全国で順次公開。