「世界で最も美しい本」と言われるアイルランドの国宝「ケルズの書」を題材に描いた長編アニメーション映画「ブレンダンとケルズの秘密」から、本編の冒頭約3分間の映像が公開された。

 2015年に発表した長編監督第2作「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」が第87回アカデミー長編アニメーション賞にノミネートされ、16年に日本でも劇場公開されて注目を集めたトム・ムーア監督が、09年に手がけた監督デビュー作。物語の舞台は、9世紀のアイルランド。バイキングの襲来に備えて塀に囲まれたケルズ修道院に、高名な僧侶エイダンが「聖なる書」を携えて逃げ込んで来る。エイダンは修道院の少年僧ブレンダンに、書を完成させるために必要なインクの材料となる、植物の実をとってきてほしいと依頼する。少年修道僧ブレンダンと妖精の少女アシュリンによる、聖なる書を完成させるための冒険を描き、今作も第82回アカデミー賞で長編アニメーション賞にノミネートされている。

 公開された映像は、物語のキーを握る妖精アシュリンの独白から始まり、後に起こる波乱の物語が回想される。続いて、バイキング襲撃前のケルズ修道院の人々の暮らしが描かれ、ブレンダン少年と仲間たちが登場。平和な暮らしを送りながらも、修道院の周囲には、バイキングからの攻撃を防ぐための高い壁が建設中で、好奇心旺盛なブレンダンが、恐る恐る壁の隙間から、外の世界を覗く場面などが描かれている。

 「ソング・オブ・ザ・シー」でも見られた、絵本が動いているような美しい映像の一端を垣間見ることができ、本編では、ダブリン大学図書館で350年間保管される国宝「ケルズの書」の鮮やかで美しいケルト文様が万華鏡のように動き出す様も圧巻で、見どころのひとつとなっている。7月29日から、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて全国順次公開。