世界的人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」に長らく出演を続けるアイザック・ヘンプステッド・ライトが、最新章である「第七章」の放送開始に合わせて来日。映画.comのインタビューに応じ、これまでの道のりや最新章への思いについて語った。

 米HBOが米作家ジョージ・R・R・マーティン氏による「氷と炎の歌」シリーズをテレビドラマ化したファンタジー。1話につき製作費約1000万ドルともいわれる巨額を投じ、架空の王国を舞台に複数の名家が壮絶な覇権争いを繰り広げるさまを、圧巻のスケールで描く。ライトは、現在放送中の「ゲーム・オブ・スローンズ 第七章:氷と炎の歌」のカギを握るといわれる、下半身不随ながらも不思議な能力を持つブラン・スタークを演じている。

 シリーズ開始当初は11歳だったライトは、7年もの間ブラン役と共に過ごし、現在18歳。最終章となる「第八章」に向けて物語が大きく動いていくこのタイミングで、ある大きな転機があったという。「ブランも最初は子どもだったし、僕も自分自身をそのまま出していたから、『第六章』まではそんなに深く考え込まないでできていたんだ。ただ、『第七章』になると、まったく別人格みたいなものになるから、ある意味こういうチャンスがやっと巡ってきたという感じなんだよ。本当の意味で、演技をしなくちゃ役になりきれないんだ」とこれまでの役からの“脱却”、あるいは“成長”というべき変化について語る。

 これまでとひと味違ったブランを演じる際の演技プランについても言及し「やっとこの『第七章』では、ブランが“三つ目の鴉(からす)”になる。彼の頭の中には、この世の歴史が全部ダウンロードされていることで(これまでとは)違った人物になっているし、どういう風にそれを演じるべきかは色々と話し合ったよ。ブランはあまりもう感情は出さず、ある意味ちょっとロボット的な、巨大なデータベースになってしまったようなところはある。でも、非常に頭を使って、色々な考えを持っている“人間らしさ”をも出していかないといけない。こういった部分が、すべて新しかったんだ」と明かす。「みんながすごいアクションをやっているなかでこういう役というのは、自分だけが違う惑星にいるような感じにもなる。とはいえ、僕はこの役がすごく好きだし、完全になりきると楽しい。超能力を手に入れられるとしたら僕は“全知全能”がいいから、ブラン役は格好いいと思っているよ!」。

 「ゲーム・オブ・スローンズ 第七章:氷と炎の歌」は、7月17日に日米完全同時放送が開始された。日本においては、海外の映画・ドラマは本国での発表時から遅れて放送・公開されることが恒常化しており、このような試みはレアケースといえる。本シリーズの人気の高さがうかがえるが、ライトは「グローバルなコミュニティとして、同時刻に同じものを体験できるのは素晴らしいよね。例えば、Netflixでは全話が一気に見られたりするけど、『ゲーム・オブ・スローンズ』では、昔ながらの形態で(最新エピソードの放送を)アメリカでも日本でもみんなが1週間待って、待ち遠しいって気持ちを味わう。そして、次のエピソードが放送されるまでの1週間で、『あれ信じられる?』といったようなテキストをSNSなどで発信して、論争することが楽しみの1つじゃないかな。みんながみんな『ゲーム・オブ・スローンズ』の専門家、批評家になって話し合うことで、より期待感が高まると思うよ」と柔和な笑みを浮かべる。

 全世界を熱狂させてきた本シリーズも、『第八章』でいよいよフィナーレ。ライトに今の心境を聞くと「自分の人生においてものすごく重要な部分だったこのシリーズが終わるということで、今とても色々な気持ちがあって複雑なんだ。と同時に、安定した仕事がなくなるから、ちょっと不安も感じている」と語りつつ、「その先(のキャリア)に関しては、何が来るかっていうのはまだ読めないけど、これだけの期間、寒さのなか色々耐えてシリアスなものをやってきたから、ちょっと軽めのものをやりたいな。コメディなんかをやってみたい」とこれからの役者人生に思いをはせた。

 「ゲーム・オブ・スローンズ 第七章:氷と炎の歌」は、スターチャンネルで放送中。