女優の広瀬すずが、岩井俊二監督の傑作ドラマをアニメ映画化する「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の劇中で、松田聖子の名曲「瑠璃色の地球」を歌っていることがわかった。広瀬が初めてレコーディングに臨んだ同曲は、8月9日に発売されるオリジナルサウンドトラックに、主人公・及川なずな名義で収録されている。

 「瑠璃色の地球」(作詞:松本隆)は、第28回日本レコード大賞(1986年)で最優秀アルバム賞を受賞した松田の13枚目のアルバム「SUPREME」に収録されたのが初出であり、人類の平和や地球への愛などの壮大なテーマを歌っている楽曲。本作で使用されているのは、なずなとクラスメイト・典道(菅田将暉)の“かけおち”シーン。なずなが道すがらに、母がよく口ずさんでいたという「瑠璃色の地球」を披露している。イマジネーションあふれるアニメならでは演出と融合したオリジナルの編曲が施されており、町から逃げ出したなずなのせつない思いを表現した広瀬の優しく透き通る声に引きつけられる。

 「『瑠璃色の地球』を劇中で歌うと聞いたときは驚きました」と思わず目を丸くした広瀬は、松田の代表曲「赤いスイートピー」はカラオケでよく歌うものの「もともと歌が本当に苦手で・・・」と告白。そして「映画の中で、なずなもお母さんが歌う姿を見てこの曲を覚えたと言っていますが、私も母とカラオケへ行って練習をしました。母も口ずさみながら一緒に歌ってくれました」とほほ笑ましいエピソードを明かした。

 また「壮大な世界観をもった『瑠璃色の地球』が流れる場面のなずなと典道の姿は、ちっぽけなようにも見えるけど、とても大きな勇気をもらえる、素敵なシーンになりました」と自信たっぷり。「なずなが想像するファンタジーな世界の中で気持ち良く歌っている姿が本当に可愛いらしいんです」と述べつつも「ただ、実際に試写室で私の歌声が流れたときは、『このシーン早く過ぎて!』と思いました(笑)。やっぱり歌は苦手です! 私の歌がCDになるのは最初で最後かもしれません! 今回は、本当に貴重な体験をさせていただきました」とはにかんだ。

 企画・プロデューサーの川村元気氏は、大根仁監督が執筆した脚本の「東京でふたりで暮らそうよ」というセリフを読んだ瞬間に「瑠璃色の地球」のメロディが頭に流れたという。「監督たちが灯台と海をモチーフにした美術設定を描いてきた時に、松本隆さんの歌詞がそこにカチッとはまり、なずなの気持ちを表すのはこの曲しかないと思いました」「小さな恋からはじまって大きな世界へと広がっていく、この映画そのものを表現しているように思います」と語っている。また、総監督を務めた新房昭之は、なずなと典道を包み込むような歌詞に着目し「2人を希望の世界に飛び出せるように後押しをしてくれているようで、励まされます。そしてなにより、アニメでしか生み出せない世界観の中で響く、広瀬さんの歌声はドラマチックでとても素敵でした」とコメントを寄せている。

 「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」は、“夏休みのある1日”を幾度も繰り返すなかで、中学生のなずなと典道がたどり着く運命を描く。8月18日から公開。なお、オリジナル・サウンドトラックは8月9日に発売。価格は2800円(税抜き)。