「オン・ザ・ミルキー・ロード」(9月15日公開)が控える名匠エミール・クストリッツァ監督の製作中の作品群の内容が、一部明らかになった。

 「アンダーグラウンド(1995)」「黒猫・白猫」で知られ、カンヌ・ベルリン・ベネチアの“世界3大映画祭”で主要賞を受賞してきたクストリッツァ監督。現在製作中の作品は、ユダヤ人パルチザン(戦闘員)を描いた作家プリーモ・レービの作品をベースにした「If Not Now, When?(原題)」に加え、2作品となる。

 2作品のうち1本目は、「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」で知られる文豪フョードル・M・ドストエフスキーの原作をベースにした、現代中国が舞台の作品となる。目の不自由な女性を主人公に、ドストエフスキー作品ならではの道徳的なジレンマを、現代中国社会の視点で見つめた作品になる予定だ。

 続く作品は、旧ユーゴスラビア出身の小説家イボ・アンドリッチのノーベル文学賞受賞作品「ドリナの橋」の映画化作。この作品の舞台である旧ユーゴスラビア、現ボスニア・ヘルツェゴビナのビシェグラードに、アンドリッチから取った“アンドリッチグラード”という名前の街を作り、製作準備を進めているという。

 「007 スペクター」のモニカ・ベルッチをヒロインに迎えた「オン・ザ・ミルキー・ロード」では、監督・脚本・主演を兼ね、紛争の悲惨さと男女の愛の気高さを描いたクストリッツァ監督。今回のラインナップからは、メッセージ性の強い作品作りを今後も続けていくことが見て取れる。