芥川賞作家・綿矢りさ氏による小説を映画化した「勝手にふるえてろ」が12月23日、全国28館で封切られ、主演の松岡茉優、共演の渡辺大知、石橋杏奈、北村匠海、メガホンをとった大九明子監督が東京のユナイテッド・シネマ豊洲で行われた初日舞台挨拶に出席した。

 恋愛ド素人のOL・ヨシカ(松岡)が、10年間片思いしている男性・イチ(北村)との“妄想の恋”と、突然付き合うことになった会社の同期・ニ(渡辺)との“現実の恋”との狭間で、悩み傷つきながら成長していく姿を映し出す。映画初主演となる本作のプロモーションのために、106媒体の取材を受け、10回の舞台挨拶を行った松岡。ドラマ「コウノドリ」で共演していた綾野剛からは「(取材本数が)100はいくね」と予言されていたそうだ。「さすが先輩当ててきたなと思いました! 主演をたくさんやられているから、100本はいくというのがわかってらっしゃたのかな」と裏話を披露した。

 さらにタイトルにちなみ「最近ふるえたこと」を問われると、倉本聰が脚本を担当した「やすらぎの郷」の共演者である石坂浩二&加賀まりことの知られざるエピソードを明かした。「3人でいるシーンがあったんですが、セッティングしている時に、石坂さんと加賀さんが私をじーっと見て『茉優ちゃんはどんな女優になっていくんだろうな』と仰ってくれて。そんな話をお2人がしているだけでもふるえていたんですけど『茉優ちゃんはそのままでいきなさい』と言ってくださったんです。自分を信じて、こうだと思う道を進んでいいのかなと思えたんです。心が軽くなった瞬間」とかけがえのない思い出を振り返っていた。

 「ラジオ『爆笑問題カーボーイ』が大好きなんですけど、(本作の)主題歌『ベイビーユー』をかけてもらったこと」と感動の面持ちで答えた渡辺に対して、石橋の回答は「ボトムスのチャックが全開になりがち」というシュールな回答。松岡も思わず「超しょうもない!(笑)」とツッコミを入れていた。そして「歩いていたらベロンと靴底がとれて、素足であと1キロほど歩かなくてはいけないと知った時」と北村もユニークな答えで続くと、大九監督は第30回東京国際映画祭コンペティション部門で観客賞を受賞したことに絡めて「観客賞をいただいたことはおひとりおひとりが投票していただいたということ。また、投票はしていないけども、ご覧いただいたお客様の中には(審査委員長の)トミー・リー・ジョーンズもいる。映画というものの素晴らしさを感じました」と語っていた。

 締めの挨拶では、「おひとりずつ、15分くらい(感想を)聞きたいくらいです」と感謝の意を示した松岡。「東京国際映画祭で観客賞を受賞して、世界の方々にも見て頂けた。映画っていうのはこんな風に広まっていくんだと感動しました。初主演映画の初日は今日だけ。もっともっと成長して『そう言えば、初主演映画の初日行ったんだよ』と自慢していただけるような女優さんになっていきたいです」と決意を新たにしていた。