奇才ラース・フォン・トリアー監督の制作会社で、全裸でプールに入ることを女性社員が強要されていたことが明らかになった。

 米ニューヨーカー誌は、2013年にトリアー監督の制作会社ゼントローパを題材にした書籍を執筆したデンマーク人の女性記者Anne Mette Lundtofteの手記を掲載。この女性記者によれば同社を取材中、法律部門で音楽のコンサルタントとして雇われたばかりの新人サラ(仮名)から衝撃の事実を聞いたという。

 2011年1月のある日、法律部門にトリアー監督が現れ、サラに全裸で一緒にプールに入ろうと誘ってきたという。サラが断ると、今度は共同設立者のピーター・オールベック・イェンセンが、命令に従わなければ解雇すると脅迫。サラが先輩から聞いたところによると、ゼントローパで新人が全裸をみせるのは仲間とみなされるための通過儀礼とされており、これは同社作品の取材を希望する女性記者にも適用されている。

 実際、「ドッグビル」でニコール・キッドマンの取材をするために、Anne Mette Lundtofte自身も服を脱いだという。しかし、サラはこの要求を拒否。その後はイェンセンから口汚い言葉で罵倒され、やがて解雇されている。この事実はAnne Mette Lundtofteが執筆し、13年に刊行された書籍に書かれているものの、当時は注目を集めることがなかった。

 しかし、米ニューヨーク・タイムズ紙が映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタインのセクハラを暴露する記事を掲載したことをきっかけに、状況が変化。その後、ゼントローパの元社員9人が、イェンセンとその他のスタッフに対するセクハラを訴えている。なお、同社の新社長であるAnders Kjaerhaugeは、労働環境の改善を約束する声明を出している。