自然の雪山を登り、スキーやスノーボードで自由に滑り降りるバックカントリー。いま世界中で注目を集めているアクティビティだが、体験中に事故に巻き込まれるというニュースが多いのも事実。そんな危険を少しでも軽減してくれる驚きの防護グッズがあるのを皆さんはご存知だろうか。「アバランチエアバッグ」は、その名の通り、雪崩に流された瞬間に、リュックに内蔵されたバルーンがふくらみ、埋没を防いでくれるというエアバッグ。雪山のアイテムは、日々進化しているのだ!

1.圧縮ガスタイプ

圧縮ガスタイプ

高圧のガスを封入したカートリッジ(ボンベ)から一瞬にしてガスが吹き出してエアバッグをふくらませる。電動ファン式に比べてシステムが軽量コンパクトになるのが利点だが、一度使用したカートリッジは交換か再充填が必要で、その都度コストがかかるので気軽には試せないのでご注意を。

トリガーハンドル

カートリッジ取り付け口にパーツを付けてハンドルを引けば、エアバッグが正常に作動するかチェックできる。

t字型

ハンドルは引きやすいT字型。使用しないときは、たたんでショルダーベルト内に収納しておくことができる。

カートリッジの重さは、、、

ガスカートリッジの重量は約320g。使用済みのカートリッジを取扱店に持っていけば、3000円で新品を買える。

MAMMUTデータ

2016年に登場した圧縮ガスタイプのモデル。頭部を包むようにふくらむエアバッグが特徴的で、立木や岩への激突からも頭を守ってくれる。バックパックとしての出来もよく、多くのギアを効率的に収納することができる。

【DATA】
●MAMMUT プロプロテクションエアバッグ3.0 35L+カーボンカートリッジ300
価格:9万8000円+1万9000円
容量:33L
重量:3180g(カートリッジ込み)
問:マムートスポーツグループジャパン

2.電動ファンタイプ

エアバッグメイン

バッテリーで動く電動ファンがエアバッグをふくらませる仕組みのもの。ランニングコストが電気代のみというのが大きな利点で、事前の予行演習も気軽にできる。数分間空気を送り込み続けるため、エアバッグに穴が開いてもしぼみにくいというメリットもある。

パッキングしづらい

背面を開けると荷室にアクセスできる。荷室は三方をエアバッグに囲まれており、パッキングはややしづらい。

LEDトリガー

左ショルダーベルトに設けられたハンドル。点灯しているLEDの数で、電池の残量を知ることができる。

レッグストライプ

滑走時は股の間にレッグストラップを通す。エアバッグに引っ張られないよう、パックを体に密着させるためだ。

BLACK-DIAMOND

電動ファン式エアバッグの時代を開いたモデル。フル充電状態で、エアバッグを4回ふくらませることができる。同社のジェットフォースパックは小型の11Lから大型の40Lまであり、このヘイロー28がその中心的モデル。

【DATA】
●BLACK DIAMOND ヘイロー28ジェットフォース
価格:12万1000円
容量:28L(M/L)
重量:3400g(M/L)
問:ロストアロー

瞬間的にふくらみ、雪崩に流されても埋没しにくくしてくれるアバランチエアバッグ。海外の動画などでその効果のほどを目の当たりにし、導入を考えている人も多いのではないだろうか。しかし、注意すべきは確実に身を守ってくれるわけではないこと。状況によっては埋まってしまうこともあるし、エアバッグをふくらませるトリガーを引けなかったという人為的ミスも起こっている。とはいえ、生存確率が上がることは、さまざまな研究データから実証されているので、雪山でのレジャーを楽しみたい人には、ぜひ普段の装備に取り入れてみてほしい。

(出典:『PEAKS特別編集 WHITE MOUNTAIN 2018』)

(編集:ナカムラ)