メルセデス・ベンツの新しい「Eクラス」は日本初公開となった「東京オートサロン2024」で、セダンとステーションワゴンの2モデルをお披露目した。今回で6代目となる新型Eクラスにステーションワゴン派生型のクロスオーバー・モデル、「オールテレイン」が追加された。ちなみに残念ながら、クーペ系の後継は「CLE」が担うため、新型Eクラス・クーペとEクラス・カブリオレがラインナップに加わることはない。

市場はスバルが創出

新型Eクラス・オールテレインは、1995年登場に「スバル・レガシィ・グランドワゴン」(現レガシィ・アウトバック)がニッチではあるものの新たな市場を創出した。その後、1997年にボルボが「V70XC」を、1999年にはアウディが「A6オールロード・クワトロ」をリリース。さらにフォルクスワーゲンやメルセデス・ベンツもステーションワゴン派生型クロスオーバーを送り出している。

新型Eクラス唯一の4輪駆動ディーゼル

2024年3月22日に発売された新型Eクラス・オールテレインの正式名称は、「E220d 4MATIC All-Terrain(ISG搭載モデル)」(E220d 4マチック・オールテレイン)で、単一グレードとなっている。なお、ベースとなる新型Eクラスは、全パワートレインが電動化され、ナッパー・レザーによる高級感のある内装にはセンターディスプレイと助手席ディスプレイが一体型になった「MBUXスーパースクリーン」やサードパーティ製のアプリにも対応する最新世代の「MBUX」(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)を用意するなど機能面と快適性を大きく向上させている。

E220 d 4マチック・オールテレインの大きな注目点は2つ。4輪駆動システムの「4マチック」など、メルセデスのSUV開発で培われてきたオフロード技術が採用され、オールラウンドな走行性能を備えたこと。そして、新型Eクラス唯一の4輪駆動ディーゼル・モデルであることだ。 

SUVらしさを醸し出す

SUVの要素を採り入れたエクステリアはメルセデスの最新デザインがもちろん反映されている。同社のSUVモデルに共通する2本のフィンが配されたラジエーター・グリルをはじめ、前後バンパー下部のシルバークローム・アンダーライドガードやブラックのホイールアーチ・カバーを採用することでSUVらしさを醸し出している。足元には専用の19インチ・アルミホイールが用意された。
 
ボディサイズは、全長×全幅×全高=4960×1890×1495mm。最低地上高は145mm(社内参考値)。全長と全幅もほぼ変わらず、全高は1470mmから1495mmへと25mm高くなっている。乗降性などを高めつつ、1550mmの高さ制限のある駐車場などにも対応している。

マイルド・ハイブリッドのディーゼルを搭載

搭載されるパワートレインはマイルド・ハイブリッド機能を備えた2.0リッター直列4気筒ディーゼル・ターボの「OM654M」型で、エンジン単体で最高出力197ps(145kW)、最大トルク440Nmを発揮する。

エンジンとトランスミッションの間に配置される「ISG」(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と呼ばれるモーターによって、短時間ではあるものの、最大で23ps(17kW)、205Nmが加勢される。ディーゼルならではの分厚いトルクとモーターアシストによるスムーズで、高効率な走りを享受できるはずだ。

組み合わされるトランスミッションは9段ATの「9G-TRONIC」。1速から9速までの変速比幅がワイドで、エンジン回転数を大幅に低減させ、優れたエネルギー効率と快適性に寄与する。

エア・サスペンションを採用

サスペンションには、連続可変ダンピング・システムの「ADS+」とエア・サスペンションが組み合わされた「AIRMATIC」(エアマチック)が標準装備され、高い快適性も確保されるという。なお、AIRMATICによるセルフレベリング機構は、乗員や荷物の重さに関係なく地上高を一定に保つだけでなく、必要に応じて車高変化も行えるのが特徴になっている。

新型オールテレインには、360度カメラ・システムを使った「トランスペアレントボンネット」機能が搭載されるのもニュースだ。最近のメルセデスSUVお馴染みの機能で、センターディスプレイに車両のフロント部分下方の路面の映像 (フロント・タイヤとその操舵方向を含む)が仮想的に映し出される機能。進路上にある大きな石や深い窪みなどの凹凸を確認できる。

ステーションワゴンには設定されていないディーゼル・エンジン搭載モデルであり、ワゴンとひと味違ったエクステリアや走りが楽しめるオールテレイン。価格は1098万円となっている。

文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)