IDC Japanは、通信事業者(CSP:Communication Service Provider)向けネットワーク機器市場の2016年実績と予測を発表した。これによると、CSP向けルーターとイーサネットスイッチからなる国内CSP向けネッワーク機器市場は、2018年以降本格的な回復に向かい、2016年〜2021年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は8.3%と予測している。

2021年までのCSP向け市場のCAGRはルーター6.9%、イーサネットスイッチ11.1%の成長

 国内CSP向けネットワーク機器市場の再浮上の鍵を握るのは、新たな通信サービスの開始とそれに伴うネットワーク構築になる。そのポイントになるサービスは、2020年にサービス開始が予定されている5Gサービスで、固定通信サービスネットワークの次世代化と共に、2018年以降の本格的な投資が待たれる。

 これらの投資はCSP向けルーター市場とイーサネットスイッチ市場のいずれも牽引し、2016年〜2021年のCAGRは、CSP向けルーター市場が6.9%、CSP向けイーサネットスイッチ市場も11.1%と高い成長を予測している。



足元の厳しい市場環境は続き、2008年以降の最低水準を2016年は更新

 一方で、足元の市場環境の厳しさは続き、2008年以降の最低水準を更新した。2016年のCSP向けネットワーク機器市場は、LTEサービス投資の一巡と新サービス向け投資開始までの投資の谷間が継続し、市場規模は2015年から6.2%減の966億7,200万円だった。

 ベンダー別では、厳しい市場環境の中でも顧客基盤の広範さと強固さでシスコシステムズが強みを発揮し、50%を超える市場シェアを得た。また、アラクサラネットワークスは、低迷するCSP向けイーサネットスイッチ市場で一人気を吐き、2015年に続きCSP向けイーサネットスイッチ市場で2位を獲得した。

 5Gなどの新サービスに向けたインフラストラクチャの構築に当たっては、「国内ベンダー、グローバルベンダー共に、国内環境の固有性とグローバルスタンダードの両立を図った2020年代のCSPインフラストラクチャを提案すべきである。光ファイバー網が張り巡らされており、大規模なレイヤー2ネットワークがすでに構築されているという国内の固有性を生かしながら、グローバルスタンダードな技術を取り入れたネットワークの構築が求められている」と、IDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏は述べている。

参考資料:国内CSP向けネットワーク機器市場 支出額予測、2015年〜2021年(作成:IDC Japan)

 今回の発表はIDCが発行した「国内CSP向けネットワーク機器市場予測、2017年〜2021年:通信事業者向けルーター、イーサネットスイッチ」にその詳細が報告されている。レポートでは、国内のCSP向けルーターおよびCSP向けイーサネットスイッチに関する2021年までの市場規模を予測している。また、「国内CSP向けネットワーク機器市場シェア、2016年:通信事業者向けルーター、イーサネットスイッチ」では、2016年のCSP向けネットワーク機器市場におけるベンダーシェアとベンダー動向を分析している。

EnterpriseZine編集部[著]