IDC Japanは、SD-WAN(Software-Defined Wide Area Network)市場予測を発表した。SD-WANとは、仮想化技術と冗長構成によって、拠点WANの可用性、パフォーマンス、運用管理性を向上すると共に、WAN関連のコスト削減を実現する新しい技術になる。

2016年〜2021年の年間平均成長率は159.0%

 2016年の国内SD-WAN市場規模は約4億3000万円だった。海外拠点を多く持ち、先進的なテクノロジーの採用に積極的なアーリーアダプター層の企業がSD-WANに関心を示し始めている。現在、案件の多くはPoC(Proof of Concept)の段階だが、本番環境として採用する企業も出始めている。

 2021年の国内SD-WAN市場は、市場規模504億4000万円、2016年〜2021年の年間平均成長率は159.0%になると予測している。ビジネスの変化にWANを迅速に対応させることへのニーズの高まりや、WANに接続される機器/クラウドサービスの増加によるIT部門の負担増加が、市場拡大の促進要因になるとIDCではみている。

 また、通信事業者が提供するWANサービス市場において、新たなSD-WANサービスによる顧客獲得競争が活発化することによっても、普及が加速すると考えられる。一方、阻害要因としては、特に国内の中小拠点向けのWANソリューションとしては、すでに安価で成熟した製品/サービスが数多く供給されており、これに対してSD-WANソリューションが相対的に高価であることなどが挙げられる。しかし、このような国内環境に対応するために、比較的リーズナブルなSD-WANソリューションの提供が増え始めている。



企業の変化のスピードに従来型の静的なWANの運用管理は対応できない

 SD-WAN市場はまだ揺籃期だが、上記のような促進要因によって今後、急速に拡大していくと、IDCでは予測している。

 IDC Japan コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストの小野陽子氏は「企業の変化のスピードは速くなっている。また多様な機器がネットワークにつながるIoT(Internet of Things)を含め、デジタルトランスフォーメンション(DX)への取り組みが加速している。このような速い変化に、従来型の静的なWANの運用管理は対応できず、IT部門のネットワーク運用管理負担は増加しつつある。企業は、SD-WANという新しいネットワーク運用管理のパラダイムの導入が、こうした変化への対応を可能にする鍵であることを理解すべきである」と分析している。

参考資料:国内SD-WAN市場 ユーザー支出額予測・2016年〜2021年(作成:IDC Japan)

 今回の発表について詳細は、IDCが発行したレポート「国内SD-WAN市場予測、2017年〜2021年:国内市場普及への方策」に掲載されている。レポートでは、国内市場動向を分析、国内SD-WAN市場規模予測、国内SD-WAN事業者への提言などがまとめられている。

EnterpriseZine編集部[著]