「でも俺は、明日もヘリに乗るよ。多分。これからもずっと」
藍沢耕作が帰ってくる!

『コード・ブルー〜ドクターヘリ緊急救命〜』(フジテレビ系/月曜夜9時〜)の3rdシーズンが7月17日からスタートする。1作目は2008年7月〜木曜22時枠で放送されたのち、翌年のスペシャルドラマを経て、2ndシーズンは月9枠で放送された。山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、浅利陽介、比嘉愛未と当時の若手人気俳優が揃ったことでも話題を集めた。今ではそれぞれが代表作を持つほどに成長、豪華な顔ぶれが7年ぶりに勢ぞろいする。
3ndシーズンの前に、過去の放送を振り返ってみたい。


『コード・ブルー〜ドクターヘリ緊急救命〜』のこれまで


ドクターヘリで人命救助にあたるフライトドクターを目指す研修医を主人公に、様々な人間模様が描かれた「コード・ブルー」。
医療ドラマはこれまでに数え切れないほどの作品があるが、2007年に公布された「ドクターヘリ特別措置法」の翌年に放送され、ドクターヘリを扱った作品は初めて。

権力争いの白い巨塔でもなく、失敗しないスーパードクターでも、エリート医師が集結して奇跡を起こすわけでもない。そう簡単にミラクルが起きないのが「コード・ブルー」。
誰もが命を救うことに全力を尽くし、救った命もあれば、救えなかった命も描かれてきた。一刻を争う事故現場で、助かる見込みのある患者は誰か、優先度をつけなくてはならず苦渋の決断を下したこともあった。
それぞれの生い立ちや、引きずっている過去やトラウマ、悩みや迷い、葛藤……若い医師が奮闘する姿、危険を伴う事故現場に出動し医師生命を絶たれてしまった事、恋人の死、訴訟問題などを丁寧に、リアルに描いているところに引き込まれる。

5人のこれまで


フライトドクター、ナースを目指して歩き出した5人のこれまでを振り返ってみたい。

静かに情熱を燃やす、藍沢耕作(山下智久)
「時々わからなくなる、何が一番大事なのか」
両親はいないと祖母に育てられてきた耕作。奨学金で大学に行き、医師となる。働く病院に祖母・絹江(島かおり)が入院しており、一時は認知症の症状が出ていた。2ndシーズンでは父親(リリー・フランキー)と再会する。母は転落した事故死と伝えられていたが、母が父に宛てた手紙を読み母親の死に自分が関係していることを知る。
耕作は同期の中でも優秀で、早くから出動していた。冷静沈着で、あまり感情を表に出さないが、命を助けようとする情熱は人一倍強い。子どもには特に優しく、腕が取れそうになっていたぬいぐるみを修理してあげたこともある。たまに同期が揃う食堂では、同じテーブルには座ることは少ないが、必ず会話ができる距離にいる。耕作という名前は「晴耕雨読」から来ており、自然に逆らわず生きろ、という意味が込められている。

大きなものを背負って奮闘する、白石恵(新垣結衣)
「黒田先生の人生は私がめちゃくちゃにしたの」
1stシーズンで黒田(柳葉敏郎)と共に事故現場に駆けつけたところで事故が起きる。安全確認をせずに怪我人の元へ駆けつけてしまった白石をフォローしようと後を追った黒田。上から降ってきた鉄骨の下敷きになり、腕が挟まれてしまう。黒田自らの指示で、右腕を切断した。自分の不注意で黒田の外科医生命を奪ってしまったことを責め、逃げ出そうとする白石に、黒田は「誰よりも多くヘリに乗れ」と伝える。その言葉通り、当直やフライトを精力的にこなす。
医師である父親が、臨床を離れて講演ばかりしていること、一方的に進路を決めようとすることで対立していたが、父が末期の肺がんであることを知らされる。トラウマを抱えながらも邁進する白石。目つきに芯の強さを感じる。

ちなみに、急患で運ばれてきた大山恒夫というオネエに「ブス」と言われたことがある。2ndでは、緋山と一緒に大山の店に飲みに行ったことも。

人一倍情にもろい、緋山美帆子(戸田恵梨香)
「諦めたくないんです、私もあと数分発見されるのが遅ければ…」
ヘリで出動した先で事故に巻き込まれ、一時は危険な状態に陥った緋山。回復したものの、不整脈などの後遺症に悩まされる。ブランクを余儀なくされ、同期と比べてフライト数や症例が少ないことに焦りを感じ、八つ当たりしたこともある。胸には大きな傷が残り、2ndシーズンではタートルネックを着て隠している。1stシーズンでは患者から「熱心だよあんた。ツッパってるけど本当は人一倍、情にもろいんだ。だから放っておけないんだろ」と言われたように、使命感や責任感が強い。気が強く、言葉もきついが、一方で繊細で臆病な一面もある。
藤川からは「なんだかんだ言って、お前のやりたいようにやる、それがお前だ」と言われる。

ムードメーカー、藤川一男(浅利陽介)
「俺たちは黒田チルドレンだぜ、散々鍛えられたんだ」
同期の中で唯一喜怒哀楽がはっきりしている藤川。ムードメーカーで楽しいキャラだが、知識と経験で同期から遅れを取っている。フライトするまでに時間がかかっていることで劣等感や焦りを感じていた。黒田イズムを継承すべく、ヒゲを生やしている。誰にでも寄り添う優しさが魅力。冴島に想いを寄せているが、不器用で鈍感なこともあり、断られていることに気づかないこともあった。2ndでは、橘から仕事を褒められた。「初めてなんです、褒められたの。ここに来て初めてなんです。よかった、今までやってきて…」膝を抱えてしみじみと振り返った。

信頼厚いフライトナース、冴島はるか(比嘉愛未)
「自分の恋人の命からも逃げ出した、こんな私がヘリに乗っててもいいんでしょうか」
学生時代、家庭教師をしてくれたことが縁で、医師の田沢(平山浩行))と交際していた。しかし田沢がALSを発症。冴島は、彼の命と向き合うことが怖く、辛辣な言葉をかけたり避けたりした時期もあった。2ndシーズンでは彼との最期が描かれた。フライトナースとしての信頼は厚く、緋山からは「その顔見ると、私がどれだけ安心するか。私だけじゃないみんなそうだと思う」、白石も「必要なの、あなたが。あなたが光なの、私たちの」と彼を失った時に、そんな言葉をかけられている。「コード・ブルー」の中では最も涙を流している。

かつて夫婦関係だった三井環奈(りょう)と橘啓輔(椎名桔平)にもドラマがあり、ベテランフライトドクターとはいえ、救えなかった命への後悔、過去を引きずったままでいる。救命センター長の田所(児玉清/特別出演)も同様に、大学病院から逃れるべく離島で医療をしていた経験を持つ。救命センターのエースであり5人を厳しく育てた黒田脩二(柳葉敏郎)は、思うように動かない腕を理由に病院を去った。しかし5人には黒田の精神が受け継がれている。

「後悔ばかり残るな、この仕事は。それがこの仕事なんだろうな」
ドクターヘリのパイロット、梶(寺島進)の言葉に苦悩がにじむ。

フェローとしてスタートした「コード・ブルー」。1stではポケットにノートを入れていた白石。冴島から「ここには教科書通りの症例はなかなか来ませんよ」と言われていたが、2ndシーズンでは、ポケットにノートを入れることもなく、明らかに成長した5人の姿があった。
今夜から始まる3rdシーズンでは、彼らの後輩も登場する。10年の経験を積んだ5人にどんなストーリーが待っているのか、奮闘を見守りたい。

(柚月裕実)