「男と女、母と息子、愛を求める人々の善と悪が交錯し、それぞれの運命が動き出す」――。

長瀬智也主演の日曜劇場『ごめん、愛してる』(原作DVD)。先週放送された第2回はじわりと視聴率が上がって10.0%。『TVガイド』誌の「録画予約ランキング」では全番組中ぶっちぎりで1位を獲得しており(『ごめ愛』が100ポイント、2位の『アメトーーク!』は54.4ポイント)、まだまだ伸びしろがありそうだ。


価値の高い命と価値の低い命


やべきょうすけ、最低! 合田雅吏、イヤなやつ! そしてどっちの窮地も救う長瀬智也の圧倒的な兄貴感……。そして長瀬の兄貴感が物語を動かしていく。

第1話で自分を生んだ母親・麗子(大竹しのぶ)を探し当て、念願の再会を果たした律(長瀬智也)だったが、麗子は無慈悲に律を追い返す。

「ありがとう、生まれてきてくれて。あなたは私の宝物よ」

サトル(坂口健太郎)の誕生パーティーでの麗子の言葉だ。そのとき、律は外で雨に打たれていた。生まれたことが祝福される者と、生まれたことが祝福されない者の対比である。

それでも麗子邸にやってくる律に、凜華(吉岡里帆)はサトルの運転手の仕事を斡旋する。韓国での恩を感じてのことだ。当然ながら麗子に追い返されるのだが、凜華の独断で運転手として仕事をしてもらった矢先、塔子(大西礼芳)をめぐって合田雅吏と揉めて湖に飛び込んだサトル(心臓に病気あり)を律が見事に助け上げる。

律の兄貴感にペクランと同じくサトルはメロメロ。麗子も溺愛する息子を助けてくれたお礼に律を雇うことにする。それもサトルのボディガードとしてだ。韓国でペクランを守ろうとして銃弾を浴びた律のことを、ある意味見抜いた麗子の慧眼である。しかし、次の言葉はひどい。

「世の中には、価値の高い命がある。サトルは私の宝物よ。そして、世界の宝でもある」

無言で聞いている律の顔に「マジか」という文字が浮かぶ。「価値の高い命がある」の後に続くのは「価値の低い命もある」という言葉だ。麗子は自分が生んだ2人の子を知らず知らずのうちに「価値の高い命」と「価値の低い命」に分けて、本人に宣告してしまっているのだ。これは切ない。そして、金を払って「あなたにとってもいい話」と微笑む麗子。血を分けた子の命を金で買い叩こうとしている。律が言葉を失う気持ちもよくわかる。

吉岡里帆をおんぶしたまま立ちションする長瀬智也!


第2話は衝撃のラストシーンが待っていた。

サトルと塔子のキス(たぶん、それ以上も)を目撃してしまって傷心の凜華は、律と出会って再び飲んだくれる。案の定、酔いつぶれた凜華をおんぶして帰る律は、そのまま麗子邸の前までやってきて、なんとそのまま立ちションを始める! マジか。

「俺は野良犬だからよ、犬はこうやってテリトリーを主張するんだ」

とうそぶく律。そしてそれを目撃する三田(中村梅雀)! 愛娘をおんぶしたまま、マネージャーを務める恩人の家の前で立ちションをしている男を見かけたら、「おい、何やってるんだ!」と言わざるを得ないだろう。

三田は律がネックレスにしていた麗子の指輪を瞬時に見つけ、自分が麗子の代わりに捨てた子だと一瞬で悟る。娘をおんぶしたまま立ちションをしていた男が! 凜華をビンタし、律に「消え失せろ!」と叫ぶ三田。温厚を絵に描いたような中村梅雀の顔が鬼気迫る。そして第3話へ続く!

第2話のツッコミどころ一覧


第2話のツッコミどころを挙げていく。ドラマの冒頭で律がジャーナリストの加賀美(六角精児)を訪ねて、麗子が本当に自分の母親かどうかを詰問する。加賀美は自信たっぷりに、麗子が過去に名指揮者・黒川龍臣(山路和弘)と不倫をしていたこと、不倫でできた子を密かに捨てたことを語るのだが、だからといって「捨てられた子=律」だという証明にはなっていない。加賀美の話を鵜呑みにして、しょんぼり帰っていく律。純朴というか、騙されやすい男なのだろうか。

もうひとつは、再び麗子邸の前までやってきた律に向かって凜華が「お母さんには会えたの?」と尋ねるシーン。凜華は前回の様子を見て、何も気づかなかったのか! ちょっと鈍感すぎるよー。

さらにもうひとつ。凜華がサトルの運転手として律を売り込むシーン。あとから「そっかー、だめだったか。麗子さん難しい人だからな……」と言う凜華。「難しい人」とかじゃなくて、不法侵入者をろくな説明もなく売り込んだってダメに決まってるだろ! メロウな音楽にあわせて麗子に「クソババア……!」と言い放つ律には思わず笑ってしまった。

ツッコミどころではないが、書いた記事を事前に律にチェックしてもらう加賀美はジャーナリストの鑑。そんなイイ人を突き飛ばす律、ひどい。

第3話での予告では麗子への復讐を誓っていた律。はたして、どんな展開が待っているのか? 今夜9時から!

(大山くまお)