くりぃむしちゅー・上田晋也の演技力は、今までに何度か取り沙汰されてきた。昨年に放送された『天才バカボン』(日本テレビ系)でのバカボンパパ役は記憶に新しいが、それ以前にも2007年に放送された『和田アキ子殺人事件』(TBS系)で準主役にあたる刑事役を演じており、語り草だ。
当時放送されていた『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』にて、相方の有田哲平は『和田アキ子〜』での上田について「あんな大根芝居は初めて見た」と断言。「死のうと思った」と本人もその評価は受け入れており、上田晋也の演技力はファンの間で違う意味で愛すべきものとなっている。

では、有田の演技力はどうなのか? 7月19日よりスタートした『わにとかげぎす』(TBS系)にて彼は連ドラ初主演を務めており、色々な意味で注目に値する。

原作の世界観を壊さない、有田哲平と本田翼の起用


本作は、2006年から翌年まで「週刊ヤングマガジン」で連載されていた漫画をドラマ化したものだ。


今までの人生の時間をほぼ寝て過ごしてしまい、周囲に友人も恋人もいない状況に38歳(原作では32歳)になってようやく気付いた主人公・富岡ゆうじを有田が演じ、そんな富岡に一目惚れしてしまう小説家志望の隣人・羽田梓を本田翼が演じるという配役である。

漫画を下敷きに映像化が行われる場合、その配役は成功の鍵の8割以上を握っていると言っても過言ではない。
原作キャラクターとビジュアル面で相違のある有田&本田を起用した今回だが(原作で富岡は長髪、羽田は長髪で胸が大きい)、そうした細部を抜きにしても漫画の世界観を壊さず上手に映像化されているという印象。どうやらネット上でもこの配役は好評のようだ。特に本田の可愛さと、原作キャラと比較しての有田の違和感の無さに賞賛の声が上がっている。

本田翼の大サービスに、感情移入不可避


話が進むにつれてかなりディープな展開が待ち受けている原作。ジェットコースターのような忙しなさで話は進んでいくが、その裏に隠されたメッセージは意外にポジティブだ。他者と通じ合うことで感じられる“喜び”を、次第に富岡は知ることになる。
それまで寝てばかりいた富岡は、その“喜び”をまだ知らない。彼にそれを教える役目を担うは羽田、すなわち本田翼である。

これには、期待せざるを得ない。正直、シチュエーション自体はリアリティ皆無だ。隣に美女が住んでおり、その美女が取り柄のない自分を好いてくれるという夢のような状況。しかし、男からすると富岡への感情移入が不可避である。
すでにドラマ第1話では、美味しい場面が頻出している。富岡の日常を知りたいがあまり、部屋の壁にコップを押し当てて聞き耳を立てる羽田。富岡が帰宅したと気付くや、全身びしょ濡れのまま浴室から飛び出してジーンズのチャック全開のまま挨拶しに行く羽田。というか、本田翼のシャワーシーンを流している時点で大サービスなのだが。

原作ファン待望の、羽田梓が羽目をはずす瞬間


初回を見た限り、このドラマは原作にできるだけ誠実な脚本となっている。だからこそ、未見の人はドラマ終了まで漫画に手に触れないほうがいいかもしれない。だって、ネタバレになっちゃうので。せっかくだから、ピュアにこのドラマと接していただきたいのだ。

第1話では、「お前は一年以内に頭がおかしくなって死ぬ」と書かれた脅迫状を送りつけられた富岡が、犯人を探すべく奔走。「知ってるかもしれないぞ、その手紙を出した奴を」と思わせぶりなことを言うホームレス(光石研)を富岡は自宅へ泊まらせるが、ホームレスを追う借金取りが家主不在の富岡宅へ侵入してしまう。
その後、富岡がアパートへ帰宅して家へ入ろうとするも、隣人の羽田が「やばいことになってますよ!」と制止、自室へ富岡を連れていく。そしてコップを壁に押し当てるよう促し、自分の部屋がやばい状況になっていることを教えたのだ。

この時、羽田の部屋になぜかトランプのジョーカーが飾られていたり、今後の展開の鍵となるであろうポイントがいくつか発見できるので、次回以降の期待も大だ。(ちなみに、第2話は今夜放送)

最後に。できれば、ドラマ版でも是非再現していただきたい原作の一場面がある。富岡の職場である警備現場へ羽田が行った際、彼女は羽目をはずしてとんでもない行動をとってしまうくだりだ。
もしこれを本田翼が演じたなら、快挙。それだけで、私はご飯何杯でも食べられるだろう。
(寺西ジャジューカ)