ドラマ「ハロー張りネズミ」第2話。原作「ハロー張りネズミ」は、1話完結の話がほとんどなのだが、今回始まった「蘭子という女」、サンダー交易編は、16話を擁して完結。全24巻中最も長いシリーズだ。ドラマ版では、これを前後編の2話で放送する模様。


2話あらすじ


「サンダー貿易副社長・自殺」という25年前の新聞記事を手に蘭子(深田恭子)は、「あかつか探偵事務所」に依頼を持ち込む。蘭子は、この事件は他殺だったと主張、そして殺されたのは自分の父・四俵乙吉(平田満)だと説明し、所長・かほる(山口智子)はこの依頼を受ける事に。かほると五郎(瑛太)とグレ(森田剛)は、それぞれ調査に取りかかった。

かほるは、独自のルートで当時の捜査資料を手に入れる。その写真に血文字で「ARABIAN」というダイイングメッセージが残されているのを発見する。グレは、乙吉の右腕だった仲井(吹越満)に接触、田舎から事務所に連れてくることに成功した。そして五郎と蘭子は、乙吉が巻き込まれた贈収賄・詐欺事件の書類を持つサンライズ出版の南(リリー・フランキー)のもとへ。翌日、南は膨大な資料の中からその書類を見つけるも、事務所ごと何者かに爆発されてしまう。

森田剛の靴下で追いかけるシーンがカッコ良すぎる


第2話で驚いたのは、グレが仲井に会いに行ったシーンだ。グレは、留守の仲井宅に「収穫無しでは帰れない」と、不法侵入する。そこに仲井は帰宅、グレを不審者と勘違いし、持っていたレジ袋を投げつけ、そのまま逃げ出した。

しかし、砂利道を走っている最中にサンダルが脱げてしまう。仲井は、無数の小石を踏んで痛がりながらも懸命に走るが、結局はグレに捕まってしまった。これがまずスゴい。あれだけ全力で砂利道を走ったら足の裏なんてズタズタのはず。バラエティで見る足つぼマットダッシュより、よっぽど痛いだろう。

そしてこれを追いかけたグレがまたすごい。仲井は途中でサンダルが脱げたが、グレは不法侵入のクセに律儀に靴を脱いでいたので最初っから靴下。それをおよそ20mほど全力疾走で追いかけた。しかも、痛がるそぶりは見せたもの、ほとんどスピードを落とさず、見事に仲井を捕獲した。

あれはどういう演出なのだろう?仲井のサンダルが脱げる感じはあまりにもリアルだ。演技ではなく、たまたま脱げて面白い画になったから使っただけなのだろうか?だが、初めから靴下で走っていたグレは、予定通りのはず。やっぱりあの超リアルなサンダルが脱げる瞬間は、名優・吹越満による演技なのだろうか。

そして超カッコいいのがグレだ。ここで警察に捕まってしまう訳には行かないグレは、足をズタズタにし、顔を真っ赤にしながら死ぬ気で仲井を捕まえた。グレの探偵根性も、森田剛の役者根性も超カッコ良すぎて、もはや面白い。

いや、よくよく考えると、あのシーン本当に必要だろうか? 別に不審者扱いは本筋に関係ない。普通に訪ねて、家に上がって話をすれば十分だった。なのに、役者陣にあの身体を張った演技をさせている。制作陣のこだわりの現れなのか、単に面白がっているのかは謎だが、本気度はスゴく伝わってくる。

第1話と雰囲気が全然違う


第1話は、現代っぽい探偵物だった。正確には、探偵というよりも同じ大根仁監督によるテレビ東京系「まほろ駅前番外地」のような“何でも屋”風の依頼だ。しかし、第2話は、妖しい色気を放つ謎の訳アリ女が、大きくて危険な依頼を持ち込んでくるというクラシックスタイル、まるで「探偵物語」。蘭子という名前に対してグレが「古くさくない?訳アリっぽそう」と、ツッコんでいるのは、メタ的なことだったのかもしれない。

予告を見る限り、第3話「蘭子という女」後編ではアクションシーンも良い感じに入っていて、“変幻自在の探偵ドラマ”のうたい文句通り、1話とも違うし、前編の2話とも毛色が全然違う。時代も異なり、背景も変わってきている部分はもちろんあるが、このカメレオンっぷりは十分に原作を引き継いでいそうだ。どんどん新しいジャンルに挑戦して欲しい。何せ、原作はタイムスリップまでしちゃう超・変幻自在の探偵漫画なのだから。

(沢野奈津夫)