ドラマ「僕たちがやりました」(カンテレ)第2話。トビオ(窪田正孝)、伊佐美(間宮祥太朗)、マル(葉山奨之)、パイセン(今野浩喜)は、爆発事件を起こし、10人も人を殺してしまった。

過失で殺人を犯してしまった時、どのような思考に陥り、どのような行動を取るのか?ふざけたテンションで描かれているが、なんて真面目なテーマのドラマなんだろう。


過失で殺人を犯してしまった人の思考回路


事件を起こした4人の思考回路はバラバラだった。パターンは豊富だが、真っ向から罪と向き合っている人間は、一人もいない。

パイセンは、事件は自分達がやったわけではなく、テロリスト集団によるものだと、都合の良い考えに辿り着く。これはただの現実逃避で、本当は自分達がやったと思っていたはずだ。トビオから現実を突き付けられて動揺するが、全員が黙っていればバレないとまだ思い込んでおり、3人に口止め料三百万を払う。事件について良心の呵責は見えず、大事なのは保身と、今が楽しいということだけのようだ。

マルもパイセンと同じく、すぐに現実逃避の思考に陥った。パイセンと違うのは、「どうすんのパイセン?」と、判断を他人に任せどこか他人事な所。良心の呵責以前の問題で、なんなら自分を苛めていたヤバ高生が死んだ事を、ポジティブに捉えている節さえある。マルも何でも良いから楽しく過ごしたいと考えている様子で、時間が経てばどうにかなると思っていそう。

トビオは、2人よりはまだ冷静に現実を見ており、罪の意識を感じている。しかし、やはり今後の自分の“そこそこ楽しい人生”を守ろうとして、結局は破綻したが、パイセンのプーケット逃亡計画に乗ってしまう。結局は現実逃避を選んでしまったのだ。ある意味で一番感情が揺らいでいる。問題が何かをわかっているのに、楽な方に流される弱さを見せている。

事件を一番重く受け止めているのが、伊佐美だ。今後普通の人生を送れないと考えた伊佐美は、あっさりとパイセンの口止め料の300万を受け取り、3人との関係を断ち切った。その後、罪の意識か、今後の人生に絶望してかはわからないが、首を吊ってしまう。やはり、受け止めきれない罪の重さというものはあるらしい。

考えていることは全員バラバラだが、自首しようという人間はいない。仲間を思いやって行動している奴もいない。つまり、現時点でこの4人の中には、一般的に正しい、潔いというような行動を取ろうとしている人間はいない。被害者遺族からすれば、全員胸クソ悪い言動を繰り返している。

主人公達が胸クソ悪い!が・・・


しかし、悲しい事に過失で殺人を犯してしまった時、意外と人間の心理はこの4パターンなのかもしれない。“信じたくない”“自分のせいじゃない”“自分の人生を守りたい”“もう無理だから死んでしまおう”ぐらいしか考えられず、被害者や被害者遺族の為に自首して罪を償おうなんて思える人は、ほんの一握りなのかもしれない。ましてや10代20代の未来に希望を抱いている若者だ。胸クソ悪い言動の数々は、異常ではなく、案外これが普通の人間なのかもしれない。なんたって、トビオ達はもともと普通の高校生なのだから。

「人の命は尊い」という当たり前の事から逃げてしまうその姿は、まぁ醜い。いくら追い込まれても、無様に逃げ回らず、正しい行動を取れる人間でありたいものだ。

だがそれでも、そこら辺のどこにでもいる普通の高校生を描いているだけに、こっちも身につまされてしまう部分がある。絶対に有り得ないことだが、もし、自分が同じ立場になったら、この4人のうちの誰かと似た行動を取ってしまう可能性は、完全に否定することは出来ない。

なんというか、リアリティが全くないのにリアリティをすごく感じてしまうドラマだ。
(沢野奈津夫)