ドラマ24『コタキ兄弟と四苦八苦』。生真面目な兄・一路(いちろう)を古舘寛治、不真面目な弟・二路(じろう)を滝藤賢一、そして異母兄妹のさっちゃんを芳根京子が演じる。第10話では兄弟のクズ親父が登場、サブタイトルは「老苦」。

さっちゃん母がかっこいい!


約5年前、笹谷(手塚理美)と名乗る女性が兄を訪ねてやってきた。行方不明になっていた父の居場所を知らせるためだった。
笹谷さんは父の愛人で、さっちゃん(芳根京子)の母。

経済力ない、愛人作る、愛人の子供認知しない、そんなクズ男。ホームレスで行き倒れになり、現在は老人ホームにいるという。
「のたれ死んだって自業自得じゃないですか」
彼女の言葉にこれまでの苦労が垣間見える。兄に父の老後を押し付けるつもりもない。

第8話でさっちゃんが話していた「とても優しくて頼り甲斐がある」父の美しい思い出。
母が「父は船の事故で亡くなった」と子供に伝えたのは「あなたは望まれて産まれてきた」と伝えるために母がついた優しい嘘だった。

こんな気持ちになるのは俺たちだけでじゅうぶん


兄が定期的に父の居る老人ホームに通っていたことを知った二路(滝藤賢一)。
「なんでだよ。ほっときゃ良かったじゃん。ほっときゃ身元不明のまま死んだんだ」と感情を露わにする。

ふたりは老人ホームへ。
父の零士(小林薫)はすっかり呆けており、母が亡くなったことすら覚えていない。二路が怒りを抑えながら思い出を話し出す。

兄弟が20歳の頃に母が病気で寝たきりになったこと。夫によく似た弟の二路をいつも側に居させたがったこと。
「でも病気が悪くなって。たかちゃん(母)はわけ分かんないこと言うようになって。弟と親父の区別がつかなくなって、顔見るたびに弟を罵倒するようになった。苦しそうに、ありったけの恨み込めて。『あんたが居なければ私は幸せだった。あんたの顔を見るだけで反吐が出る』」

最後ぐらいは安らかに逝ってほしい、自分が側に居ない方がいい。そんな理由から二路は大好きな母を看取ることができなかった。
こんな辛そうな表情、初めて見る。


帰り道、一路と二路は自分たちがさっちゃんの兄だと名乗り出ないことを再確認。
さっちゃんが大事にしている父親の思い出をぶっ壊してはいけない。

二路「こんな気持ちになるのは俺たちだけでじゅうぶんだよな」
一路「ああ。俺たちだけでじゅうぶんだ」
こんな気持ちを5年間も一人で抱えていた一路。弟と共有できて良かった。

それから二路が別居中の妻に思いを伝えることができたのも。
「俺はそんな有花が寝たきりのおばあちゃんになって呆けて、俺のこと忘れたとしても、最後まで一緒にいるよ」
頼り甲斐はないけどとても優しい。結婚後こういう思いをきちんと持ち続けている人は世の中どれぐらいのパーセンテージでいるんだろう。
(イラストと文/まつもとりえこ)

ドラマ24『コタキ兄弟と四苦八苦』
テレビ東京 毎週金曜 深夜0:12〜
配信:Tver・Paravi・ひかりTV・GYAO

出演:古舘寛治 滝藤賢一 芳根京子 宮藤官九郎 ほか
脚本:野木亜紀子(『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』『獣になれない私たち』ほか)
監督:山下敦弘(映画『ハード・コア』『リンダリンダリンダ』ほか)
オープニングテーマ:Creepy Nuts『オトナ』(ソニー・ミュージックレーベルズ)
エンディングテーマ:スターダスト☆レビュー『ちょうどいい幸せ』(日本コロムビア)
チーフプロデューサー:阿部真士(テレビ東京)
プロデューサー:濱谷晃一(テレビ東京) 根岸洋之(マッチポイント)平林勉(AOI Pro.) 伊藤太一(AOI Pro.)
製作:テレビ東京 AOI Pro.
制作著作:「コタキ兄弟と四苦八苦」製作委員会

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