7月に発表された、日産の新型エクストレイル。初代から通算すると4代目となりますが、先代の3代目と比較するとどう変わったのか気になるところでしょう。

 そこで今回は、エクストレイルの先代からの変更点に加え、ライバルとなり得る国産車4車種との比較、どのような人が「買い」なのかという点について解説していきます。

●新型エクストレイルの変更点

 まずは、フルモデルチェンジした新型エクストレイル(T33型)と、先代モデルの変更点について確認していきましょう。ここでは大きく分けて3つの点に注目していきます。

新世代の「日産顔」にイメチェン

 フルモデルチェンジということで、大きく変わったのがエクステリアです。先代モデルを始めとした日産車に共通して採用されている「Vモーショングリル」は、スリムな印象に変更。

 ヘッドライトやグリルの形状などは現行ノートやリーフ、アリア、サクラといった新しい世代の日産車をほうふつとさせるデザインに変更されています。ひと目で「新しい日産の車だ」と思えます。

全車e-POWERの設定に

 先代までのエクストレイルは、2000ccのガソリンエンジンかハイブリッドという選択肢がありましたが、新型モデルより全車e-POWERの設定となりました。搭載されているe-POWERはノートや、先日マイナーチェンジされたキックスと同様に第2世代のものに変更。搭載されている発電用エンジンは1500ccの可変圧縮比エンジンのVCエンジンとなりました。

 2022年9月28日時点では4WDのみのラインアップですが、2WDは今秋に発売を予定しています。4WDのシステムはアリアと同様の電動駆動4輪制御技術である「e-4ORCE(イーフォース)」を搭載。EVではありますがパワフルで繊細な走行が可能となりました。

「道具感」がさらに少なくなったインテリア

 エクストレイルと聞くと、初代や2代目の無骨なデザインを思い浮かべる人が多いかもしれません。3代目以降は、よりラグジュアリー感を押し出したインテリアデザインとなったことで高級感を演出。

 新型エクストレイルでは3代目のラグジュアリー感を踏襲し、さらに高級感を高めたインテリアデザインとなりました。山間部などで道具のようにガシガシと使う印象から、都市部にいても遜色のない印象に変貌しました。

●新型エクストレイルのライバル車をチェック!

 エクストレイルが所属するカテゴリーは人気カテゴリーということで、国内メーカーがそれぞれ特徴的な車を数多く販売しています。ここでは、新型エクストレイルのライバルとなる4車種の概要をサラッと確認していきましょう。

三菱 アウトランダー

 日産とアライアンス関係にある三菱のアウトランダーの最大の特徴は、PHEV(プラグインハイブリッドエレクトリックビークル)モデルがラインアップされていることでしょう。

 エクストレイルはガソリン発電ですが、アウトランダーのPHEVは自宅で充電した電力でEV走行、電池残量がなくなったらガソリンエンジンで発電して走行する仕組みです。PHEVは国の補助金の対象車種でもありますから、購入後の実質価格が安くなる傾向があります。

スバル フォレスター

 エクストレイルと同じ立ち位置にあるのが、スバルのフォレスターです。フォレスターは、SUVと呼ぶにふさわしい外観デザインが特徴です。スバルお得意の水平対向エンジンを搭載した1800ccターボエンジンのパワフルな走りと、2000ccハイブリッドの「e-BOXER」から選択できます。

 水平対向エンジンの特徴でもある低重心レイアウトの効果により、全高が高いSUVであってもスムーズなコーナリングを実現しています。

トヨタ ハリアー

 都市型SUVの筆頭格ともいえるのが、トヨタのハリアーです。2代目エクストレイルまでは比較対象とはなりませんでしたが、3代目から比較されるようになりました。

 エクストレイルと比較して最も異なる点は、「ラグジュアリーさ」です。アウトドアにも使えるエクストレイルのような質感ではなく、高級セダンのような佇まいやインテリアデザインが特徴です。リセールバリューが高いのも大きなポイントといえるでしょう。

マツダ CX-5

 エクストレイルと立ち位置が近いのが、マツダのCX-5です。SUVらしい力強いデザインや防水シートなど、まさにエクストレイルのライバルともいえる装備となっています。エクストレイルと比較して大きく異なる点は、エンジンのラインアップです。

 CX-5は2500ccのガソリンエンジンに加え、2200ccのディーゼルエンジンがあります。ディーゼルと聞くとトラックやバスなどに搭載されているイメージが強いですが、こちらのエンジンはもちろん環境にも配慮されています。ディーゼル特有の後ろから押してくれるようなトルクフルな走りが、まさにSUVともいえる作りとなっています。

●デメリットも考慮したい

 新型エクストレイルはデザインが大幅に変わり、e-POWER搭載など注目すべき点は多々ありますが、もちろん気になる点も存在します。ここでは、デメリットになる可能性がある点を2つ紹介します。

e-POWERには得手不得手がある

 新型エクストレイルに搭載されているe-POWERは、100%モーター駆動でキビキビと走るのが特徴ですが、高速域での走行になると燃費が低下するというデメリットがあります。

 ハイブリッド車などと同じ欠点ですが、速度域が高くなればなるほど電力消費が多くなるので、エンジンでの発電量が増加し、街乗りと比べると燃費が悪くなる傾向があります。

先々代と比較するとアウトドア向きではないインテリア

 新型エクストレイルは初代からのキャッチコピーの「タフギア」が採用されてはいるものの、初代や2代目と比較するとアウトドア感を全面に押し出してはいません。

 防水ラゲッジ仕様もラインアップされていますが、初代や2代目のような使い方はできないでしょう。サーフィンを始めとしたアウトドアレジャーを重きに置いて探している方には不向きな車かもしれません。

●結局のところ、新型エクストレイルは「買い」なの?

 メリット・デメリットを比較して考えてみると、新型エクストレイルの評価は変わってくるかもしれません。車の使い方によっては「買い」の方もいれば、そうでない方もいます。

 ですが、トータル的に考えるとe-POWERの燃費性能や4WDの走破性、使い勝手も良いことから「買い」といえるのではないでしょうか。多人数が乗車できる車が欲しいけれど、コンパクトカーでは小さくミニバンでは大きすぎると思うユーザーにはピッタリな車です。また、現在の一般的な家族構成から見れば、若い夫婦やファミリー層にも合う車といえます。

 車に対する考え方や利用シーンなどを考慮したうえで、新型エクストレイルの購入を検討してみてはいかがでしょうか。

●著者プロフィール

宇野 源一

大学卒業後、大手メーカー系自動車販売会社に勤務。在職中は個人顧客を中心に年間平均60台の新車を販売。自動車保険の見直し提案などの経験も豊富。その後、金融業界に精通した業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事するとともに、2級ファイナンシャル・プランニング技能士およびAFP資格を取得。2018年よりライターとして活動を開始。新車ディーラー業界の裏話やファイナンシャルプランナーの視点から見た車購入アドバイスだけでなく、お得なカー用品やガジェット紹介等も得意とする。私生活では3児とうさぎ2羽の父。【保有資格】2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会認定)