30代になると、これまでより少し良い腕時計が欲しいと考え始める方も多いでしょう。

 この記事では、30代のミドル世代の男性におすすめしたい、「予算5万円台以内」の腕時計をピックアップして、その魅力をご紹介します。

●「+αの特徴とスペック」で選ぶ

 以前の「予算2万円台以内」の腕時計に関する記事では、(プチプラ製品も含め)各ブランドのベーシックモデルを中心に、注目のモデルをご紹介しました。本記事のテーマ「予算5万円台以内」では、以前の記事で挙げたポイント(「シンプル」「ベーシック」「端正」の3点)に加え、「+αの要素」がある製品を選べる点がポイントです。

 ここでいう「+αの要素」とは、「機能性」「耐久性」「趣味性」の3要素のいずれかとなります。「機能性」では高機能なムーブメントやチタン外装、サファイアガラスなどの高機能素材に注目。「耐久性」に優れたものとしては強化防水や耐磁仕様など、永く愛用できるスペックの製品が挙げられます。また機械式やクロノグラフといった趣味性が高いモデルも選べるでしょう。

 以下では「ビジネス」「ドレス」「スポーツウォッチ」「デジタルウォッチ」の中から、「+αの要素」を持つおすすめ製品を5本セレクト。その魅力を掘り下げたいと思います!

●ビジネス:充実した機能のチタン製ウォッチ シチズン アテッサ ダイレクトフライト CB1120-50

 シチズンのアテッサは、外装材にチタンを採用した人気のシリーズ。CB1120-50は、手首への収まりが良いケース径38mmのサイズ感に、ビジネス向きの実用的な機能が詰まった1本です。

 外周部が傾斜面となっており、立体感のある文字盤。装飾を削ぎ落とした外観は、凛とした表情になっています。機能面では、世界4局の電波受信が可能な電波ソーラームーブメントを搭載。さらにリュウズの操作で世界各都市の時刻表示に切り替えが可能な「ダイレクトフライト」機能も搭載しており、海外出張のお供にも好適です。

 本体とブレスレットには、シチズン独自の表面硬化処理「デュラテクト」を施したチタン素材を使用。シチズンが得意とする素材のチタンは鉄系材料(ステンレスなど)よりも軽量で、耐金属アレルギー性にも優れた高機能素材です。

 風防(文字盤前面のガラス部材)には、無反射コーティングを施したサファイアガラスを使用。さらに10気圧防水で耐磁1種という仕様です。充実したスペックに加え、優秀なコスパも魅力の1本です。文字盤の仕様により型番が異なりますので、お好みで選んでください。

●ドレス:「セイコーデザイン」が目を惹く機械式モデル セイコー メカニカル ドレスライン SZSB011 (/012)

 セイコーの「SZSB011」「SZSB012」は、「セイコーが伝統とするデザイン」とコスパ感が目を惹く1本です。

 本機の外観を語る上でまず触れたいのが、セイコーの最上級ライン「グランドセイコー」のヘリテージモデル。風防の周囲に固定ベゼル(丸枠状の金属部品)を備え、これに「ドルフィン針」と呼ばれる、ドレッシーな鋭角状の菱形針を組み合わせています。

 元来、ベゼルは防水性や気密性を向上させるためのもので、歴史的にはスポーツウォッチ向けに採用された部品。グランドセイコーでは、スポーツウォッチ由来の基本スタイルと、ドレッシーなディテールとを融合。結果として生まれた品格のあるデザインは、グランドセイコーを象徴するスタイルとなっています。

 本機(SZSB011/012) では、グランドセイコーで60年近くに渡り受け継がれてきた、セイコーのアイコンとも言えるスタイルを継承。その上で細部の装飾的な要素は削ぎ落され、若々しさも感じられる外観に仕上がっています。セイコーの伝統と現代性との融合が、本機のデザインの魅力だと言えるでしょう。

 機構部には機械式ムーブメントを採用し、ケース裏面はシースルーバック仕様。日本製。ケース径は約40mmで、10気圧防水。ケースとブレスレットはステンレス製です。

●ダイバーズ:海外向けの人気モデルが凱旋! オリエント マコ RN-AA0001B

 高品質かつコスパに優れた機械式時計で定評のあるオリエントは、1901年創業の老舗の国産ブランド。オリエントが海外市場向けに展開してきたマコ(Mako, アオザメの意)は、200m防水を備えた機械式ダイバーズウォッチのシリーズです。

 RN-AA0001Bは、そんな同シリーズの最新モデル。200m防水、機械式デイデイト(曜日表示付きカレンダー)などのシリーズの特徴はそのままに、本機では風防にサファイアガラスを採用。擦り傷に強く、よりタフに使える仕様となりました。ケース径は約42mm。日本製。ケースとブレスレットはステンレス製です。

 ギアとしての「こだわり」や機能性だけでなく、ファッション性の高さも本シリーズの魅力。ベーシックな黒ベゼル&黒文字盤の本機だけでなく、型番違いでカラーバリエーションも豊富。経年変化した雰囲気を表現した夜光や、グラデーション加工が施された文字盤を搭載したモデルもお洒落です。

●クロノグラフ:男心をくすぐる「メカっぽさ」と機能性! シチズン シチズンコレクション CB5874-90E

 「5万円台以下」の価格帯なら、人気のクロノグラフの製品も選べます。CB5874-90Eは、シチズンのスタンダードコレクションの製品。煩雑なデザインになりがちなクロノグラフですが、本機は文字盤と外周部(ベゼル)をブラックで統一。ポイント部はシルバー色とし、統一感のある外観に仕上がっている点がポイントです。

 機能面では前述した「アテッサ」と同様、世界4局の電波受信に対応した電波ソーラームーブメントを搭載。「ダイレクトフライト」機能も搭載し、海外渡航での活用にも最適です。ケース径は約43mm。10気圧防水で、風防はサファイアガラス。ケースとブレスレットはステンレス製です。

●デジタル:「違いが分かるあなた」へ カシオ G-SHOCK GW-5000U-1JF

 デジタルウォッチのオススメとしては、G-SHOCKのオリジン・シリーズの上級機、GW-5000U-1JFをご紹介します。

 本機は標準グレード(GW-M5610シリーズなど)と同等の電波ソーラーモジュールを搭載。機能面は標準グレードと同等で、外装(ベゼル)も樹脂ですが、本体ケースの素材にステンレス合金を採用。裏ぶたもスクリューバック仕様(ネジ式の裏ぶた)で、ワンランク上級な仕様となる点が見どころです。

 液晶部は(いわゆる「反転液晶」ではない)通常タイプ。「スタンダード感」と視認性を両立しています。標準グレードでは存在した文字盤外周部のライン装飾は廃され、外観はモノトーンで統一。さらに裏ぶたにはDLC (Diamond-Like Carbon) と呼ばれる黒化処理が施されます。装着時は見えない箇所まで「黒」をまとった、「こだわり」に溢れた仕様となっているわけです。ケース横幅は約43mm。20気圧防水です。

 (標準グレードと同様に)バンドの素材はウレタン樹脂ですが、よりソフトな材質に変更されており、装着感が向上している点もポイント。見えない箇所で差を付けたい、「違いが分かる方」にオススメしたい1本です!

●好みと個性で選びたい!

 今回は「30代男性向けの、5万円台以下の腕時計」をテーマに、おすすめの製品をご紹介しました。機能のバランスの良さが自慢のモデルから「こだわり」に溢れたモデルまで、それぞれに個性のある製品だったと思います。

 様々なテイストの製品をご紹介しましたが、それぞれがビジネスシーンからプライベートまで、幅広いTPOに対応できる製品となっています。好みだけでなくどのような「+αの要素」があるかを意識することで、より面白い腕時計選びができそうです!