年金の繰り上げ・繰り下げ受給について、詳しく知りたいと考える方は多いのではないでしょうか。   国民年金・厚生年金は本来65歳で受け取りますが、受け取る時期を繰り上げたり繰り下げたりできます。繰り下げによって年金額を4割以上増やすことも可能です。   ここでは、年金額の繰り上げ・繰り下げ受給の違いやシミュレーションについて解説します。

年金は繰り上げ・繰り下げ受給が可能

老齢年金は、繰り上げ・繰り下げ受給が可能です。繰り上げ受給をすると、年金を早く受け取れますが受給額は減ってしまいます。逆に、繰り下げ受給をすると年金を受け取るのが遅くなりますが、受給額は増えます。
 
減額率と増額率は異なるため、事前に把握をして、計画的に繰り上げ・繰り下げをすることが大切です。
 
ここでは、年金の繰り上げ・繰り下げの違いについて見ていきましょう。

 

繰り上げは減額

老齢年金は受け取る時期を繰り上げることができます。繰り上げとは、前倒しで年金を受け取ることです。年金は原則65歳からの受け取りですが、最大60歳まで1ヶ月単位で繰り上げが可能です。繰り上げをすると年金を早く受け取れる分、1ヶ月につき0.5%受給額は減額となります。
 
60歳0ヶ月まで繰り上げをすると30%減額となり、本来65歳で受け取る年金額の70%になります。仮に65歳時点の年金額が月あたり6万円だとすると、60歳0ヶ月の繰り上げで受け取れるのは月あたり4万2000円です。
 
このように、年金を繰り上げ受給すると、年金額は減額となり、その額はその後変わることはありません。

 

繰り下げは増額

年金は受け取る年齢を遅らせる繰り下げ受給もできます。66歳以降、最大70歳まで1ヶ月単位で繰り上げが可能です。繰り上げ受給は1ヶ月単位で0.5%減額となりますが、繰り下げ受給は1ヶ月単位で0.7%増額になります。
 
70歳0ヶ月まで繰り下げをすると42%増額となり、本来受け取る年金額の142%になります。仮に65歳時点の年金額が月あたり6万円だとすると、70歳0ヶ月の繰り下げで受け取れるのは月あたり8万5200円です。
 
このように、年金を繰り下げ受給すると、年金額は増額となります。また、この場合も増額後の年金額が変わることはありません。

 

70歳まで繰り下げした場合の受給額

国民年金や厚生年金を70歳0ヶ月まで繰り下げ受給をすると、年金額は42%(0.7%×60ヶ月)増加し、受給額は65歳時と比べて1.42倍になります。
 
国民年金は満額で約78万円、厚生年金(夫婦2人分、基礎年金含む)は満額で約264万(※1)です(2021年4月分)。もし、70歳0ヶ月まで繰り下げ受給をした場合にどのくらい受給額が増えるのかシミュレーションをしていますので、それぞれ確認していきましょう。

 
※1:平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取れる年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
 

年額78万円の老齢基礎年金を70歳まで繰り下げした場合

2021年4月分からの老齢基礎年金(国民年金)は、満額で月額65,075円、年額780,900円です。65歳からの受給額が年間78万円の方が、70歳0ヶ月まで繰り下げ受給した場合に受け取れる年金額は次のとおりです。
 
・繰り下げ後の受給額:78万円×(100%+42%)=110万7600円
※実際の金額とは異なる場合があります。
 
65歳で受け取る年金額より約32万円(月あたり約2万7000円)も増えています。

 

年額264万円の厚生年金を70歳まで繰り下げした場合

2021年4月分からの厚生年金(※1)は満額で月額22万496円、年額264万5952円です。65歳からの受給額が年間264万円の方が、70歳0ヶ月まで繰り下げ受給した場合に受け取れる年金額は次のとおりです。
 
・繰り下げ後の受給額:264万円×(100%+42%)=374万8800円
※実際の金額とは異なる場合があります。
 
65歳で受け取る年金額より約110万円(月あたり約9万2000円)も増えています。
 
※1:平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取れる年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
 
出典:令和3年4月分からの年金額等について|日本年金機構

 

70歳まで繰り下げ受給をすると年金は4割以上増える

国民年金や厚生年金は原則65歳での受け取りとなりますが、繰り上げ・繰り下げ受給が可能です。繰り上げ・繰り下げ受給をすると、年金額が増減します。
 
60歳0ヶ月まで繰り上げると30%減り、70歳0ヶ月まで繰り下げると年金額は42%も増えます。自分の状況に合わせて、繰り上げ・繰り下げ受給をすることが大切です。
 
早速、繰り上げ・繰り下げした場合のシミュレーションを行い、どのくらい受給できるか確認してみましょう。

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員