火災保険は火災のみならず、台風や洪水などの風水害からもマイホームや家財を守ってくれる必須ともいえる保険ですが、近年は大規模な災害が相次いでおり、火災保険制度の維持のため、2022年には保険料の値上げや保険期間の短縮といった大きな制度変更が予定されています。火災保険の変更内容を把握して値上がりに備えましょう。

2021年の保険料率の変更は?

火災保険の保険料は、保険金支払いに充てる「純保険料」と各損害保険会社の経費である「付加保険料」からなり、これを合算したものが火災保険契約者の実際に負担する保険料となります。このうち純保険料の算出には自然災害リスクなどを反映した「参考純率」が大きな要素を占めます。
 
参考純率は、全国平均で2018年は5.5%、2019年度に4.9%の引き上げが行われていますが、2022年は全国平均で10.9%の引き上げが行われる予定となっています。
 
しかし、参考純率は都道府県やマイホームの構造や築年数によって引き上げ幅が異なるため、地域によって実情に差が生じます。
 
例えば、保険金額を建物2000万円、家財1000万円、築5年未満とした場合の改定率をみてみると、山口県がT(耐火・準耐火)構造で-11.6%、H(非耐火)構造で-10.3%など引き下げとなる地域はありますが、2018年の西日本豪雨などで大きな被害を被った大阪府はH(非耐火)構造で+24.6%などと全体的に高い引き上げ幅となっています。このように参考純率の引き上げは地域によって差があるので、まずお住まいの地域の参考純率の変更状況を確認することをおすすめします。
 

最長契約期間が10年から5年へ

火災保険は保険料の値上げと並行して、契約期間の見直しも続いています。2015年以前は火災保険の最長契約期間が36年となっており、ひとたび契約すれば住宅ローンの全返済期間にわたって補償を受けることができました。
 
しかし、近年は気候変動の影響が大きく長期的な見通しが立てにくくなっており、現在は最長10年間の契約期間となっていますが、2022年度からは5年へとさらに短縮されることになります。
 
保険料の割引率は契約期間が長いほど割引率も高まるため、最長保険期間が短縮されることで割引率も減少し、保険料負担が増加することになります。
 

値上げの影響は次回の更新から

火災保険の保険料は、損害保険料率算出機構が発表する「火災保険参考純率」を基に損害保険会社各社が火災保険料を改定します。改定率の全国平均は10.9%の値上がりですが、実際にはお住まいの都道府県によって改定率が異なります。
 
今回の変更を受けて保険料がどれくらい変わるかは、火災保険を契約している損害保険会社に問い合わせる必要があります。既に火災保険の利用している場合は、実際に保険料値上げの影響を受けるのは次回の契約更新からとなりますので、契約期間を単年度契約されている方や契約更新が間近な方などは値上がり前に長期契約で更新することをおすすめします。
 
執筆者:菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表