「大卒女性の生涯年収はどれくらいなのだろう?」と考えたことはありませんか。「高卒女性より高いはず」「大卒男性より低いのかもしれない」と思っている方も多いでしょう。そこで今回は大卒女性の生涯年収の中央値をご紹介します。   より実態に近い金額を知るためには、平均値よりも中央値を把握したほうが参考になります。平均値と中央値の違いについても解説します。

平均値と中央値の違い

 
平均値も中央値もデータを検証するときによく用いられる値です。それぞれ次のように定義されています。

●平均値:すべてのデータの総和を個数で割ったもの
●中央値:すべてのデータを小さい順または大きい順に並べて真ん中にくる値のこと

 
例えば、図表1に挙げた年収の平均値と中央値を算出してみましょう。
 
【図表1】

A B C D E F G H I
230万円 250万円 300万円 340万円 350万円 430万円 470万円 750万円 1000万円

平均値:(230+250+300+340+350+430+470+750+1000万円)÷9=約458万円
中央値:350万円

平均値はデータに小さい数や大きい数が入っていると、影響を受けて値が高くなったり低くなったりします。そのため、一般的な感覚から外れることがあるのです。一方、中央値は真ん中にくる値なので、より実態に近い数値が分かります。
 

大卒女性の生涯年収の平均値とは

 
大卒女性の生涯年収についても、平均値と中央値を確認しましょう。まずは大卒女性の生涯年収の平均値を見てみましょう。
 
図表2は、独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2020 ―労働統計加工指標集―」における2018年の企業規模計の平均生涯年収です。
 
【図表2】

中学卒 高校卒 高専・短大卒 大学・大学院卒
男性 1億9930万円 2億1370万円 2億1770万円 2億7210万円
女性 1億4540万円 1億5200万円 1億7720万円 2億1570万円

※学校を卒業してすぐに就職し、60歳で退職するまでフルタイムの正社員を続けた場合。退職金は含めない。
 
大学・大学院卒女性の平均生涯年収は2億1570万円です。大学・大学院卒男性の平均生涯年収は2億7210万円なので、男性と比較すると5640万円少ないと分かります。
 
高校卒女性の平均生涯年収は1億5200万円、高専・短大卒女性は1億7720万円のため、大学・大学院卒女性のほうが生涯稼げる金額が高いです。
 

大卒女性の生涯年収の中央値とは

 
残念ながら大卒女性の生涯年収の中央値データはありませんでした。しかし、中央値は平均値よりやや低いことが推測されるため、生涯年収の中央値は約2億円と判断できます。
 
図表3は厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査の概況」における女性の年齢階級別賃金(月収)平均値と中央値(中位数)の表です。
 
【図表3】

年齢計 19歳〜 20〜24歳 25〜29歳 30〜34歳 35〜39歳 40〜44歳 45〜49歳 50〜54歳 55〜59歳 60〜64歳 65〜69歳 70歳〜
平均値 25万1000円 17万2400円 20万8100円 23万2900円 24万7400円 25万6200円 26万8600円 27万1600円 27万5800円 26万6800円 22万9500円 21万3300円 21万4600円
中央値 22万7800円 17万1400円 20万5100円 22万6300円 23万6100円 24万1000円 24万7600円 24万6600円 24万1200円 23万5000円 19万5400円 18万1300円 17万6500円

いずれの年齢階級でも平均値より中央値のほうが低いです。大卒女性の生涯年収の中央値も、平均値よりやや低いと考えると良いでしょう。
 
また、図表4では学歴別、男女別におおまかに月収の中央値(中位置)を確認できます。
 
【図表4】


 
月収についても、大学・大学院卒男性と比較すると大学・大学院卒女性の中央値は低いです。20代はそこまで差がありませんが、50代では10万円以上差があります。
 
一方、いずれの年齢階級でも高専・短大卒女性、高校卒女性と比べると大学・大学院卒女性の中央値は高いと分かります。

   

男女別・学歴別に生涯年収は異なる

 
大卒女性の生涯年収の平均値は2億1570万円でした。中央値は平均値より低いと推測できるため、2億円ほどと判断できます。同じく大学・大学院卒でも、男性のほうが生涯年収は高いです。高校卒や高専・短大卒女性と比べると、大卒女性のほうが高いことが分かりました。
 
おおまかな生涯年収が分かれば、結婚や出産、マイホームの購入など人生の一大イベントにかけられるお金、老後のための貯金などがイメージしやすいのではないでしょうか。ぜひ、将来のための資産形成を考えてみてください。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部