自分が死亡した後に財産を引き継がせる方法として、相続のほかに遺言によって財産を供与する遺贈という方法があります。今回は、遺贈について解説します。

遺贈とは

遺贈とは、遺言によって自分の財産の全部または一部を他人に無償で供与することであり、生前に財産を他人に無償で与えることを遺言によって指定することで、自分の死後、他人に無償で財産を移転させることができます。遺言によって財産を与える人を遺贈者、財産を受け取る人を受遺者といいます。
 
遺贈は、遺贈者による単独行為となりますので、死因贈与(※1)のように贈与者が生きているうちに受贈者と合意して契約するというものとは異なります。また、相続とは異なり、受遺者が相続開始時にすでに死亡している場合は、その遺贈が無効となり、代襲相続も発生しません。
 
遺贈には、以下のように主に3つの種類があります。
  
※1)贈与者の死亡によって効力が発生する贈与契約
 

包括遺贈

包括遺贈とは、遺贈する財産を遺産の全部または一部のように一定の割合で示した遺贈のことになります。例えば、「全財産の2分の1」や「遺産の3割」などのように指定します。包括遺贈された人(包括受遺者)は、相続人と同一の権利・義務を持つことになり、遺贈を知ったときから3ヶ月以内であれば遺贈を放棄することもできます。
 

特定遺贈

特定遺贈とは、指定された特定の財産を目的とする遺贈のことになります。例えば、「〇〇所在の土地を」や「××株式会社の株式を」などのように具体的に財産を指定します。なお、包括遺贈と同様に特定遺贈された人(特定受遺者)も遺贈の放棄をすることは可能ですが、包括遺贈と異なり、期限なくいつでも遺贈の放棄をすることができます。
 

負担付遺贈

負担付遺贈とは、一定の負担や条件を前提として財産を与える遺贈のことになります。例えば、「自宅の不動産を遺贈する代わりに母の介護をしてほしい」などのように指定します。なお、特定遺贈と同様に、期限なくいつでも遺贈の放棄をすることができます。
 

まとめ

遺贈は、遺言によって法定相続人以外の人にも財産を供与することができる(例えば、介護でお世話になった義理の娘に財産を引き継がせたい)などのメリットがあります。一方、相続税が2割加算となる場合があることや、特に法定相続人以外に遺贈する場合は、法定相続人との間で相続に関するトラブルが発生する可能性があるなどのデメリットもあります。
 
遺贈を検討する場合は、家族など法定相続人になりうる人などに、あらかじめ話しておく(生前に納得してもらう)など、自分の死後、トラブルにならないように準備しておくとよいでしょう。
 
執筆者:中田真
CFP(R)認定者、終活アドバイザー