国民年金は20歳から60歳までの個人事業主や学生、厚生年金の適用を受けていない企業に勤める会社員などが主に加入する最も基礎的な公的年金制度です。   国民年金保険料は加入者の収入にかかわらず定額となっており、老齢給付の支給要件・支給額の算出には保険料の払込期間が重要となっているため、国民年金保険料の滞納は避けたいところです。   しかし、2022年現在も続く新型コロナウイルスの世界的流行による活動自粛などによって収入が減少してしまい、国民年金保険料の支払いが負担となっている方も多いのではないでしょうか。   収入減少に伴う国民年金保険料の滞納を避けるための方法と対策について解説していきます。

国民年金保険料を「滞納」した場合のデメリット

国民年金保険料を滞納して未納となった場合、老齢給付額が減少するほか、付加年金や個人型確定拠出年金(iDeCo)などの国民年金保険料の納付を前提とした有利な公的年金制度への保険料支払いも行えなくなってしまうため、老後の生活設計を練り直す必要があります。
 
また、未納期間が加入期間全体の3分の1を超えた場合や事由発生の直近1年間に未納があると障害基礎年金や遺族基礎年金の給付を受けることができなくなる恐れがあり、万が一の際のリスク対策が大きく弱体化してしまう大きなデメリットがあるため、収入が減少した場合も国民年金保険料の滞納は避けましょう。
 

国民年金保険料の負担を軽減するには?

国民年金保険料は毎年負担額が変化しており、2021年度は月額1万6610円、2022年度は1万6590円となっています。
 
保険料が負担となっている場合は、まず保険料の「前納制度」を利用することで各種給付額に影響を及ぼすことなく負担額を減少させることができます。
 
前納制度には「早割」、「6ヶ月前納」、「1年前納」、「2年前納」の4つがあり、最大の割引率となる2年前納を利用した場合は月々の負担額を1万6000円程度まで圧縮することができます。
 

国民年金保険料の滞納を避けるには?

前納制度を利用することが困難な場合、加入者が学生であるときは在学中の保険料納付が猶予され未納期間を生じない「学生納付特例制度」を利用することをおすすめします。
 
また、加入者が社会人である場合は「保険料の免除・延納制度」を利用することをおすすめします。これは、収入が減少したことにより国民年金保険料の支払いを減額または猶予する制度で利用した場合は未納期間が生じません。特に現在は新型コロナウイルスにより納付が困難となった場合は、簡易な手続きで利用できるよう特例が施行されています。
 
学生納付特例制度と保険料の免除・延納制度を利用することで保険料を支払わなくても未納期間は生じませんが、学生納付特例制度と延納の場合は給付額の算出期間に含まれず、免除の場合は全額納めた時の2分の1のみが算入となるため、給付額には影響を及ぼしてしまいます。
 

まとめ〜国民年金保険料を滞納してしまった場合は〜

収入減少により国民年金保険料の支払いを滞納し未納期間が生じてしまうと給付額が減少してしまうばかりか、万が一の際に障害基礎年金や遺族基礎年金を受けられなくなってしまう恐れがありますので絶対に避けるべきです。
 
保険料の支払いが困難であれば、学生納付特例制度や免除・延納制度を利用するようにしましょう。
 
しかし、国民年金の老齢給付を満額受給するには原則として20歳から60歳までの480ヶ月の支払いが必要なため、これらの制度を利用してしまうと給付額が低下してしまうデメリットがあります。こうした場合は、後に収入が回復した際に「保険料の追納制度」を利用することをおすすめします。
 
保険料の追納は過去10年以内の免除・延納等が認められた期間に対して利用することができますが、免除・延納等を受け3年度目以降に保険料を追納する場合は保険料が割り増しとなってしまいますので注意しましょう。
 
執筆者:菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表