遺言の内容は効力が強く、通常は法定相続人よりも遺言が優先されます。一方で遺言の内容が不公平なことから、トラブルに発展するケースも少なくありません。   ここでは遺言が納得いかない内容だった場合の対処法や注意点についてお伝えします。

相続人全員で話し合うのが基本

「田舎の土地は長男、現金は次男」のように、遺言の内容は必ずしも相続人全員を公平に扱っているとは限りません。一部の相続人をひいきしたり、逆に仲間外れにする内容もあります。
 
遺言は法定相続人よりも優先されるため、そのまま放置すると不公平な内容のままで手続きが行われてしまいます。後になってから不公平だったと訴えても相続をやり直すことは非常に困難なので、遺言の内容が明らかになった時点で対処しなければいけません。
 
納得がいかない内容の遺言に対処するには相続人全員で話し合うことが重要です。相続は対象者全員に関わる問題なので、一人でも話し合いに応じなければ意味がありません。しかし、不公平な内容の遺言で得をする相続者がいるのも事実です。
 
そのため、相続人全員が不公平な遺言の見直しに同意するとは限りません。自分が得をするからこのままの内容で手続きを進めようとする相続人もいることからも、どのように納得させるかが相続を公平に行うための条件といえるでしょう。
 

遺留分の詳細と注意点

不公平な内容の遺言を見直したいのに一部の相続者が話し合いに応じないケースは珍しくありません。遺言の見直しができない状態をいつまでも続けることはできないため、できるだけ公平な内容に近づけて対処する必要があります。
 
財産相続では最低限の保証である遺留分が定められています。遺留分は法定相続分の2分の1と定められているので、被相続人の配偶者なら4分の1、子なら4分の1をさらに人数分で分けます。
 
しかし、被相続人の兄弟姉妹には遺留分が存在しないことに注意が必要です。また、遺留分は相続人の権利ですが自動的に相続できるわけではありません。遺留分減殺請求を行って初めて相続が可能になることから、遺言に不満があったら速やかに手続きを進める必要があります。
 
遺留分減殺請求には時効が定められているので手続きを先延ばしにしてはいけません。遺留分を把握してから1年、あるいは財産の相続が発生してから10年が経過すると遺留分を請求できなくなります。
 
内容証明郵便を送って時効を中断させることは可能ですが、相続開始日や相続人の情報などを正確に記載しなければ無効扱いになってしまいます。有効になる書面作成は容易ではないことから、時効が成立する前に請求を行うのが賢明でしょう。
 

後になってから別の財産が発覚した場合について

不公平な内容の遺言に納得できず、相続人と話し合うなどの方法で見直しても相続を済ませた後に別の財産が出てくることがあります。遺言は故人が残した最後のメッセージですが、財産を漏らさず明記しているとは限りません。すべての手続きを終えた後に新しく財産が出てくる可能性があります。
 
このような場合、相続人全員で改めて話し合うのが普通です。遺言で触れていなくても故人が遺した財産なのは曲げられない事実です。法律に沿って適切な方法で相続を済ませるのが基本ですが、後のトラブルを避けるためにも相続人全員が納得できる形で話し合いを進めることが重要になります。法律に詳しくなければ公平に相続の内訳を決めるのは容易ではありません。
 
法律の専門家である弁護士に依頼するなど、相続人が不満を抱かない結果にすることを心がけましょう。
 

わだかまりを残さないことが大切

不公平に感じられる遺言は相続人全員で話し合い、納得できる内容に修正することが可能です。しかし、自分には不公平な内容でも別の相続人が大きな得をするケースもあります。すべての相続人が遺言の見直しに同意するとは限らないので、法律の専門家である弁護士に相談したり、相続人の権利である遺留分を請求するなどの対処法も選択肢に入れることが大切です。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員