毎月支払いが義務付けられている「国民年金保険料」ですが、支払いを負担に感じている人も多いかもしれません。中には、滞納をしてしまう人もいます。もし保険料支払いの滞納を続けた場合にはどうなるのでしょうか。

支払いの義務がある国民年金保険料

国民年金法によると、日本に住んでいる20歳から60歳までの人は、国民年金保険料を支払わなくてはならないとあります。しかし、さまざまな理由から支払いを滞納する人がいます。その原因としては「支払っても自分が将来年金をもらえるか不安」という理由の人もいれば、経済的な理由の人もいます。
 
会社員の場合には会社から毎月、厚生年金保険料と共に天引きされるため滞納はあり得ません。しかし、自営業者やフリーランスで働く人は自分で支払う必要があるため、滞納しやすい傾向があるのです。
 

支払いを滞納するとどうなるか

国民年金保険料の滞納をつづけた場合、最悪のケースでは財産を差し押さえられることもあります。ですが、数か月滞納しただけでそうなることはありません。
 
まずは、滞納が続いた場合には「国民年金未納保険料納付勧奨通知書」という書類が届きます。これはいわゆる「催告状」であり、それとほぼ同時に訪問や電話による督促が行われるケースがあります。
 
それでも支払いに応じない場合には、「特別催告状」という通知書が送られてきます。この特別催告状は3種類に色分けされており、順番に青から始まり黄色、赤色と段階分けされています。もし、赤色の特別催告状が届いても滞納を続けていると「最終催告状」が届きます。
 
そして最終的には、「督促状」が通知され、そこには最終的な支払期日が明記されており、それを過ぎると差し押さえの段階に入ります。
 
さらに期日を超えても支払いがない場合には延滞金として、年利14.6%が加算されて請求されることにもなるのです。そして最後に「差押予告通知」が届き、差し押さえが実行されます。
 

どのようなものが差し押さえられるのか

差し押さえられるものは、銀行預金などが一般的です。他にも生活に困らない程度の「動産」なども差し押さえ対象になります。それ以外であれば、自動車や株式などの有価証券、不動産等も対象になる場合があります。もしも家族と同居していた場合には、滞納者のみの財産が差し押さえられるだけです。
 
しかし、差し押さえられる財産によっては家族を巻き込むことになることもあるので、国民年金保険料の滞納は自分ばかりではなく、家族などにも迷惑をかける可能性があることを肝に銘じておきたいものです。
 

どうしても支払えない場合には手続きをしよう

収入の少ない人や、失業などで支払いが難しい人のために、保険料の免除制度や納付猶予制度が設けられています。この制度では過去2年までさかのぼって、免除を申請することができます。
 
ただし免除を申請する事によって、将来給付される年金額が減少するというデメリットがあることを知ったうえで申請を行いましょう。免除の金額には一番大きい「全額免除」のほかにも、4分の3免除や半額免除、4分の1免除の4種類があります。
 
便利な制度ですが、免除期間が長いほど将来の年金額が減少します。また、最低でも10年間の保険料を支払わなければ、老後の年金は受け取れません。仮に1ヶ月でも条件を満たしていない場合には、将来1円も受け取れなくなるのです。ですから、自分がどれだけの期間支払いを行ったのかは毎年誕生日月に送付される「ねんきん定期便」でしっかり確認しておきましょう。
 

支払いが厳しい時は早めの対策を

国民年金保険料の支払いは国民の義務です。支払いを怠ると将来の「老齢基礎年金」だけでなく、けがや病気になった時のための「障害年金」や、自分が亡くなった後の家族を守る「遺族年金」も受け取れなくなる恐れがあります。ですから毎月支払い続けることが大切です。
 
もしも、支払いが厳しい場合には、差し押さえなどの最悪の事態になる前に、早めに免除や猶予制度を利用するようにしましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員