失業保険から支給される基本手当は、非課税所得のため年収に含まれません。再就職すると基本手当は停止されますが、その場合には就業促進手当が受給できる可能性があります。   就業促進手当とは、基本手当を停止された受給者が、一定の条件を満たす場合に支給される手当のことです。本記事では、失業保険の概要と留意点や、就業促進手当の算出方法などについて紹介します。

失業保険の概要と留意点

失業保険(雇用保険)の基本手当は、失業すれば必ず受給できるわけではありません。本項目では、失業保険の受給要件と留意点を紹介します。
 

・失業保険とは

失業保険は、失業者の安定的な生活と再就職促進のために国が設けている制度です。労働者が失業した場合、離職日の翌日から1年間、基本手当が支給されます。ただし、失業保険の基本手当を受給するためには、原則として離職前の2年間に12ヶ月以上の被保険者期間が必要です。
 
また、雇用先の事情によってやむを得ず離職した場合は、離職前1年間に通算6ヶ月の被保険者期間が必要になります。なお、失業保険の基本手当は原則非課税所得(雇用保険法第12条)のため、確定申告の必要はありません。
 

・失業保険の留意点

失業保険の基本手当は、失業状態にある人だけに支給されます。失業状態とは、就職への意思や能力があって積極的に就活していながら、何らかの事情で再就職できずにいる人のことです。そのため、妊婦や病気の人、家事や学業に専念したり再就職の意思がなかったりする人は、失業状態とは見なされない可能性があります。
 

就業促進手当とは?

再就職によって雇用保険の基本手当が停止されても、就業促進手当(就業促進給付)が受給できる可能性があります。主な就業促進手当は、再就職手当・就業促進定着手当・就業手当・常用就職支度手当の4つです。本項目では、それぞれの手当の概要と支給額の算出方法を紹介します。
 

・再就職手当

再就職手当は、基本手当の受給資格者が規定の要件を満たしたうえで、常用雇用などの安定した職業に再就職した場合に支給されます。支給額は、「所定給付日数の支給残日数」×「給付率」×「基本手当日額」で算出します。
 

・就業促進定着手当

就業促進定着手当は、規定の要件を満たした再就職手当の受給者に支給されます。支給額は、「離職前の賃金日額」−「再就職手当の支給を受けた再就職の日から半年間に支払われた賃金の1日分の額」×「再就職の日から半年間における賃金の支払いの基礎となった日数」で算出します。
 

・就業手当

就業手当は、基本手当の受給資格者が規定の要件を満たしたうえで、再就職手当の支給対象に該当しない雇用形態で就職した場合に支給されます。支給額は、「就業日」×「30%」×「基本手当日額」で算出します。
 

・常用就職支度手当

常用就職支度手当は、基本手当の受給資格者・高年齢受給資格者・特例受給資格者・日雇い受給資格者のうち、一定の要件を満たす就職困難な障害者などが、安定した職業に就職した場合に支給されます。
 
支給額は、「90(基本手当の支給残日数が90日未満の場合には支給残日数に相当する数、45日未満の場合は45)」×「40%」×「基本手当日額」で算出します。
 

就職促進手当の申請先はハローワーク

就職促進手当の申請は、ハローワークで行います。手続きは簡単です。申請書に各就職促進手当に必要な書類を添付して、窓口か郵送で提出するだけです。その後、審査に通過すれば、各就職促進手当が支給されます。なお、各手当には、それぞれ申請期限があります。そのため、規定の要件に該当する場合は、なるべく早めに申請しておくと安心です。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員