公的年金支給額が低い水準で推移している一方、年金保険料はどちらかといえば上昇傾向にあります。まじめに年金を納めているだけでは、老後資金は足りないともいわれているのが現状です。   現役世代には現役世代ゆえの出費もあるため、簡単に資金は貯まりません。資金を貯めるには、どのように捻出すればよいのでしょうか。

日常の生活費からムダを省く

収入を増やすことは簡単ではありませんが、支出を抑えることはできるのではないでしょうか? そのためには、生活費の見直しをすることから始めてみましょう。
 
見直しをするために必要なのは、何にいくら使っているかを確認しなければなりません。簡単でよいので、まずは家計簿をつけてみましょう。
 
家計簿をつけるときには、食費にいくら掛かったのか、水道光熱費はいくらなのかなどの支出を記入していき、1ヶ月でどれくらい使っているのかを集計をしてください。
 
毎日、もしくは2〜3日に1回まとめてでもよいので、家計簿をつける習慣を作ると、使途不明金をなくすことができるかもしれません。また、集計をすることで、どのような項目にいくら使っているのかが分かります。
 
このとき注意すべきなのは、自宅で食べたものを食費、家族で外食したものの支出は外食費、友人や親せきなどと食事をしたときには交際費、というように分けていくことです。そうすることで、本当に使っているものが何かが分かってきます。
 
生命保険文化センターが行った調査によると、2人以上の勤労者世帯の1ヶ月の消費支出合計は、全国平均で30.58万円です。また、食料に掛かる費用は7.95万円、水道光熱費は2.17万円などです。
 
(出典:生命保険文化センター 月々の生活費は平均していくらくらい?)
 
とはいえ、このデータはあくまでも大まかなものです。水道光熱費は、各社からさまざまなプランが提供されていますので、見直しをしてコスト削減ができるか検討してみましょう。
 
項目別の支出が分かったら、各項目の目標金額を決めて、翌月分から予算立てをします。そして、その範囲内で納まるように使っていくようにしましょう。
 
もちろん、予算の項目には貯金に充当する金額も含めてください。そのほか、誕生日や結婚記念日、家族旅行などは、別途イベントとして予算立てをしておくようにします。
 

生命保険の見直しをする

生命保険に加入している人は多いと思います。ただ、住宅ローンを組んでいる場合には、そこに生命保険が付帯している(団信など)ことがほとんどです。
 
今まで入っている生命保険と合わせると、加入し過ぎの場合がありますので、加入している保険を見直すことも検討してみてください。
 
そのほか、子どもが小さいときに加入した保険にそのまま加入し続けている人もいらっしゃるのではないでしょうか?
 
当初、保険金額を算出したときには、家長に万一のことがあったとき、子どもや遺(のこ)された家族が困らないようにプランニングしていたでしょう。
 
このようにプランニングしている場合は、子どもが成長するとともに、必要な保証は少なくなります。保険に加入しすぎている場合には解約して、それまで払いすぎていた保険料を、貯蓄にまわすようにすることも検討してみましょう。
 
ただし、解約しすぎると保険による保障が足りなくなることもあります。公的な制度において、「高額療養費制度」という1ヶ月の医療費の上限額(年齢、収入によって違いあり)を超えたときには、高額療養費の給付を受けることができます。
 
とはいえ、給付金が受け取れるのは、診療を受けた翌月以降に手続きをし、3〜4ヶ月後が目安です。医療保障が特約として付いている保険の場合は、別途、医療保険に加入するなどの対策をしてもよいでしょう。
 

先取り貯金で貯蓄する

いくら予算立てをしても、お金があれば使ってしまう人もいると思います。大切なのは、余ったお金を貯めるのではなく、あらかじめ決まった額を貯蓄に充当する仕組みを作り、例えば給料日に自動的に天引きして貯めるなどの、先取り貯金をおすすめします。
 
代表的な先取り貯金としては、給料から天引きされる財形貯金(貯蓄)があります。そのほかには、給料日に口座振替を設定しておき、積み立てるという方法もあります。
 
また、老後資金として人気があるのは、つみたてNISAやiDeCoなどです。こちらの商品には税制優遇制度がありますので、利用を検討してみてください。
 
とはいえ、どうしても貯蓄できないという人もいることでしょう。貯金はある意味、習慣ともいえます。いきなり数万円も貯金にまわすのは無理だと感じる人は少なくありません。まずは、先取り貯金で5000円〜1万円程度からはじめて、徐々に増やしていくとよいでしょう。
 
理想の毎月の貯金額は、月収の1〜3割です。30万円なら3万円以上が目安となります。失敗してもやり直しはできます。まずは、貯金を習慣化することから始めてください。
 
そして、できるだけ長く働き続けるのも大切です。加えて、可能な限り収入を得られるようにすることも考えていきましょう。
 
執筆者:飯田道子
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会