老後不安やコロナ禍による株高なども相まってiDeCoについて気になっている方もいらっしゃるようです。もし、女性がiDeCoを始めるとしたらタイミングはいつがよいのでしょうか。   また、産休中や育休中にiDeCoを始めてもよいものなのでしょうか。そこでこの記事では、女性がiDeCoを始めるタイミングについて解説します。

iDeCoとは

iDeCoとは、自身で拠出した掛金を投資信託など自身で選んだ商品にて運用し、60歳以降に受け取る私的年金です。
 
掛金の拠出時と運用時、そして受取時の3段階で税制上の優遇措置を受けられるため、節税しつつ資産運用が行えることから老後の資産形成として注目されています。さらに、iDeCoは差押禁止財産でもあるため、万一のことがあっても差し押さえを受けることがありません。
 
しかし、一度掛金を拠出すると原則途中で掛金の拠出を止めることができず、最低でも毎月掛金を5000円は拠出し続ける必要があることや、今後iDeCoにおける優遇制度が変更される可能性があるという点には注意が必要です。
 

女性がiDeCoを始めるタイミングはいつがおすすめ?

iDeCoを始めるか悩んでいる女性から聞かれることで「iDeCoを始めるタイミングはいつがいいですか?」という質問があります。
 
その疑問については、基本的に今すぐ始めるのがおすすめですというのが回答となります。なぜなら、iDeCoは長期間続けるほど有利であるからです。その理由は大きく分けて3つあります。
 
まず1つめの理由は大きな節税効果です。長期間行えばそれだけ節税の恩恵を受けられるからです。
 
2つめは運用期間を長期間取るためです。iDeCoは投資信託などで運用するため、適切に長期間運用すれば、時間がたてばたつほど複利効果(運用で得た利益がさらに利益を生むこと)によって雪だるま式に資産が増えていきます。
 
3つめの理由は金融市場の成長に合わせて資産が増えていく点にあります。現在世界は10年、20年単位の長期でみれば経済的に成長を続けており、今後も一時的に下落することはあっても長期的には右肩上がりに成長していくことが予想されます。
 
経済は成長して物価などは上がるのに対してお金の額面的な価値は変わらないため、実質的には経済成長によって貯金の価値は実質的に目減りしています。
 
今の100万円と数十年後に訪れる老後の100万円とでは、相対的な価値は今の100万円の方が高く、数十年後の100万円は低くなってしまいます(最低賃金が年々上がり続けていることや、10年前や20年前と比較して物価が高くなっていることをイメージしていただくと分かりやすいでしょう)。
 
しかし、iDeCoで資産運用をしていれば経済成長に応じて自分の資産も成長させていくことができ、経済の成長の恩恵を少なからず受けられ、実質的な資産の目減りを防げるようになります。
 

産休中や育休中にiDeCoを始めても影響はないの?

産休中や育休中は一般的に課税対象となる給与が支払われないことが多いため、iDeCoの所得控除による節税効果の恩恵を受けられません。そういった意味では産休中や育休中にiDeCoを始めることにマイナスの影響が一切ないわけではありません。
 
しかし、それ以上にプラスの恩恵、具体的には長期間資産運用できること、iDeCoによる運用益が非課税となる恩恵を長期間受けられるメリットのほうが大きいため、金銭的に余裕があれば産休中や育休中であっても早期にiDeCoを始めるべきです。
 

産休や育休明けの収入の見込みによっては始めるのを見送るべき

これまでiDeCoを早期に始めることをおすすめしましたが、産休や育休明けに職場復帰するめどが立たない、子育てにかかるお金が家計を圧迫することが予想されるなど経済的に余裕がないような状況においてはiDeCoについて見送るべきです。
 
iDeCoは一度開始してしまうと原則60歳まで掛金の拠出を止めることができないため、日々の生活に余裕がないという場合、あるいは近い将来そうなる可能性が高い場合は余裕が出るまで様子見をしておいてください。
 

女性がiDeCoを始めるなら今がおすすめ

女性がiDeCoを始めるのであれば、できるだけ早いうちがおすすめです。それは産休中や育休中であっても同様です。しかし、子どもが生まれると働き方が変わったり、子育てにお金がかかったりで家計の状況に変化が生じることもあります。
 
iDeCoは一度始めると原則60歳まで掛金の拠出を止めることができないため、直近で余剰資金が少なくなることが想定される場合や収入が減少・不安定となる場合には慎重に検討する必要があります。
 
特に、産休中や育休中、あるいはそれらを控えている状況でiDeCoを始めるか悩んでいるという場合は、FPに相談するなどして十分に検討したうえで、長期的に無理なく掛金を拠出していくことができそうなタイミングで始めてみてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士