かねて金融リテラシーを高める必要性が論じられ、ついに本年度からは、高校の家庭科で「金融」が教えられるようになりました。運用だけではなく、将来に必要なお金やその調達についても、カリキュラムに含まれています。   実は借り入れにこそ、金融リテラシーが求められるので参考にしてみてください。

人生最大の借り入れは住宅ローン

金融広報中央委員会が実施する「家計の金融行動に関する世論調査」(2021年)では、単身世帯と2人以上世帯それぞれの借入金残高が公表されています。それによると、単身世帯の借入金残高は637万円、2人以上世帯の借入金残高は1393万円と、その差は2倍以上です。なぜこのような差が生まれるのでしょうか?
 
その要因は住宅ローンです。借入金の内訳をみると、そのほとんどは住宅ローンなのです。さらに、借入目的のランキングを比較すると、大きな違いがあります。単身世帯の借入目的トップは日常の生活資金ですが、2人以上世帯の借入目的トップは住宅の取得または増改築となっています。
 
つまり、2人以上世帯の多くは住宅ローンが大きく家計にのしかかっているといえます。
 

お金を借りるには運用以上の金融リテラシーが必要

「金融リテラシー」というと、多くの人は運用に目が行きがちです。しかし、お金を借りる場面では、より高い金融リテラシーが求められます。
 
調査の結果から、多くの人が結婚後に借入金によって住宅を購入していると想像されます。その借り入れの前に、将来のライフプランやキャッシュフローを検討した人の数は、あまり多くないと考えられます。
 
ファイナンシャルプランナーがアドバイスを行う際にはまず、将来のライフプランをヒアリングします。就職や結婚、住宅の取得、出産、教育など、いつどんな資金が必要かをライフイベント表で確認します。さらにキャッシュフロー表で、生活が破綻しないよう資金計画を練るのです。
 
住宅取得は多くの人にとって、人生最大の買い物です。そして、多額の借入金を抱えることになります。もしも、返済に支障をきたせば、せっかくの持ち家を失うかも知れません。教育や趣味などほかの分野の支出を削減せざるを得なくなるかも知れません。
 
それだけではなく、住宅購入に限っても、さまざまな税金の知識が必要になります。住宅ローン控除はもとより、住み替えの際の特例といった知識の有無で、納める税金の額が大きく変わる可能性があります。保険に関する知識も不可欠です。お金を借りるのは、実はとても高い金融リテラシーが求められるのです。
 

金融リテラシーは人生のレバレッジとなる

借入金残高が2倍というと、ネガティブなイメージを持つ人も多いでしょう。しかし、高い金融リテラシーがあれば、借り入れを上手に利用できます。
 
借り入れの無い人と比べ、税金や保険の面で優位になる可能性もあります。そして、借り入れは不足資金を補うものではなく、人生を楽しむためのレバレッジなのです。
 

出典

金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査 令和3年(2021年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部