不動産に投資する方法の1つにREITがあります。別稿では、主に「どのような商品なのか」と「現物不動産に投資することとの違い」について考えました。   現物の不動産投資に比べると少額から始めやすいので、興味を持った方に向けて、今回は主に株式投資との違いを確認します。

株式投資と似ている

物件選びや資金調達、購入後の維持管理などの大変さを考えると、不動産投資はハードルが高い印象があります。少額の資金から比較的簡単に始められるREITなら、不動産投資も前向きに考えられるのではないでしょうか。
 
REITは証券市場に上場していますので、現物不動産投資に比べて流動性が高いという特徴があります。
 
株式投資には、

(1)個別株式に投資する
(2)投資信託を利用する

という方法があります。同様にREITも、直接REITに投資する方法と投資信託を利用する方法があります。
 
購入の仕方も株式投資と同じで、証券会社で取引口座を開設して行います。すでに証券口座を持っているのでしたら、そこで売買できます。
 
REITに直接投資する場合は、時々刻々と値動きがあります。注文方法は、成行(なりゆき……値段を指定しないで注文する。売買成立が早い)と指値(さしね……値段を指定して注文する)があります。
 

株式投資との違いは?

株式投資と似ているREITですが、決定的な違いは、投資対象が株式と不動産ということはいうまでもありません。株式投資での利益獲得には、キャピタルゲインとインカムゲインがあります。
 
キャピタルゲインは、株価の値上がりによる利益、つまり売却時の株価が購入時より値上がりしていて、その利ざやを取る方法です。
 
インカムゲインは、株式の保有期間中の配当による利益です。この基本をREITにもなぞらえて、比較してみます。
 
一般的な株式の配当は、企業の利益から、法人税と次期に向けての資金などを差し引いて決めています。
 
REITの場合は、投資法人が利益の90%超を分配すれば法人税がほぼかからない仕組みになっていますので、分配効率は高いといえます。
 
株式の配当は企業の業績によって大きく左右しますので、無配当のこともあります。REITの分配金の原資はテナント料なので、大きくブレる心配は少ないと考えられますが、逆にテナント料が急騰することも考えにくいです。
 
REITの投資対象は、次のようなカテゴリーに分けることができます。
 
【図表1】

図表1

 
新型コロナの影響で、オフィスではリモートワークが増えました。オフィスビルの需要に変化が起きています。飲食店やファッション関係の店舗は一時期大きな打撃を受けました。オリンピックを見込んでホテルの建設ラッシュがありましたが、インバウンドの回復は少し先になりそうです。
 
このように不測の事態が起きたときに受ける影響は、カテゴリーによっても違ってきます。
 
不動産投資法人の財務状況や分配金の利回りなどは重要ですが、保有する不動産の物件数や稼働率、物件の所在地など、不動産ならではのチェックポイントを押さえることも肝要です。すべては、それぞれのホームページで閲覧できます。
 

まとめ

最後に少し違う観点から考えます。
 
株式投資をする際、「応援したい企業」「お気に入りの商品やサービスを提供している会社」がきっかけとなることがあります。例えば、福岡に住んだことのある筆者は、福岡リートに関心があります。「キャナルシティやマリノアシティも対象物件なのか」と、知っている施設という強みがあります。
 
分散投資の観点を重視すると、複合型のREITやREIT投資信託を利用することになります。ですが、どのような投資スタイルにするのかを考えてみるのも楽しいと思います。
 
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士