現在、東京都内の実家で生活していて、一人暮らしをしたいと考えているけれども、親から「一人暮らしには、最低年収600万円はないと無理だ」といわれてしまった相談者さんがいます。   相談者さんの現在の年収は370万円。都内の企業に勤めていて、一人暮らしをするなら東京23区内がよいと考えています。果たしてこの条件で、都内で一人暮らしは可能なのでしょうか。詳しく解説します。

場所を選ばなければ23区内でも一人暮らしできる

結論からいうと、条件をつけなければ年収370万円の人が東京23区内で一人暮らしをすることは可能です。賃貸物件の入居審査は、一般的に家賃の36倍の年収があるかどうかを確認しています。
 
年収370万円ならば家賃10万2778円までの物件ならば借りられます。もっとも余裕を持って生活をするためには、家賃は手取り月収の30%以下に抑えるのが理想といわれています。
 
仮に、相談者さんが年間70万円(額面)のボーナスをもらっていたとすると、12ヶ月分の額面収入は300万円。ここから税金や社会保険料として20%ほどを引かれていると考えると、1年間の手取り収入は240万円で、毎月おおよそ20万円を受け取っていることになります。手取り収入20万円の人の適正家賃は、この30%の6万円です。
 
もちろん、東京の都心部で6万円の部屋を借りるのは難しいですが、23区内でも江戸川区や葛飾区ならば6万円前後でワンルームの部屋を借りられるでしょう。築年数が経過していてもよいというのならば、ほかの区でも部屋を探せるかもしれません。
 
ちなみに、東京都の大卒初任給は平均21万円でした(2022年3月時点)。地方から上京して、そのまま東京で就職する人もいることを考えると、年収370万円で都内で一人暮らしをするというのは難しいことではありません。
 

 

実家暮らしより不便になる可能性も

相談者さんは家族から「一人暮らしには、最低年収600万円はないと無理だ」といわれています。しかし、日本人の平均年収が433万円であることを考えると「最低年収600万円はないと無理」というのは違うように見えます。
 
しかし、東京23区内は地域によって家賃相場が大きく異なり、場所によっては年収600万円以上ないと生活できない地域もあります。例えば、港区だと1K/1DKの家賃相場は11万円、1LDK/2K/2DKだと20万4000円です。
 
年収600万円(うちボーナスは100万円)の人が1年間に受け取る手取り収入は約400万円((600万−100万)×0.8=400万円)。1ヶ月当たりの手取り収入は33万3333円です。この人の適正家賃はおよそ10万円ですが、港区の家賃相場はそれよりも高いので、部屋を探すのは難しくなるでしょう。
 
港区や渋谷区などの都心部で家族と住んでいた人が、実家と同じような水準の部屋を探すのはさらに困難です。都内に実家がある人が、一人暮らし用の物件を探すときには、場合によっては今までと同じ水準の暮らしを維持するのが難しいということは心得ておきましょう。
 
適正家賃は、毎月の手取り収入の30%で算出できます。まずは、適正家賃を算出した上で、どのエリアなら無理なく一人暮らしができるのか、考えてみることが大切です。
 

一人暮らしは可能だが生活水準の維持は難しい場合もある

東京都内で年収370万円の人が一人暮らしをするのは難しいことではありません。しかし、都心だと一人暮らしに年収600万円以上あったほうがよいという地域があるのも事実です。
 
都内に実家がある人は、会社までの距離が遠くなる人もいるでしょうし、実家と同じような生活水準を維持するのが難しい人もいるでしょう。まずは、自分の収入から適正家賃を計算し、どの地域ならば住めるのか調べてみるのをおすすめします。
 

出典

【SUUMO】東京都の賃貸家賃相場・賃料相場を調べる
東京都労働局 学卒者の初任賃金(令和4年3月新規学校卒業者の求人初任給調査結果)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部