大学に進学するには、入学試験を経て入学する方法以外に「推薦入学」という手段があります。推薦入学というと、提携する高校から学力優秀者を推薦する指定校推薦のようなケースが一般的かもしれません。   しかし、その他に運動能力に優れている学生向けの“スポーツ推薦”が利用できる大学もあります。この記事では、そのようなスポーツ推薦による大学進学について考えてみましょう。

スポーツ推薦入学とそのメリット・デメリット

スポーツ推薦とは、高校のスポーツ競技において、オリンピックやインターハイなどの公式大会で優秀な成績を収めた学生に対して、一般の入学試験とは別枠の選考によって入学が許可される制度です。以下でメリットとデメリットについて確認しましょう。
 

・メリット

スポーツ推薦であれば書類審査と面接または小論文等によって考査が行われることが一般的になっています。そのため、入学試験で難関校といわれる大学であっても、受験すべき科目数が少なくなったり、免除されたりするため、受験勉強の負担をそれほど感じることなく入学が可能になるのです。
 
また、一般的な推薦入学と同じように、入学試験よりも早い時期に合否が判明します。結果として、受験に関する心理的な負担も低減され、進学準備のための時間を十分に取ることが可能となるのです。
 

・デメリット

スポーツでの優秀な実績があったとしても、高等学校での学業成績も選考条件に含まれている場合があります。例えば、箱根駅伝の強豪校として知られる青山学院大学では、評定平均による出願制限が設けられています。高校3年1学期までの全体の成績状況が3.5以上必要です。
 
また、社会情報学部に出願する場合には、さらに数学系の科目の履修が推奨されています。大学によっては運動部ごとに学部の割り当てが限られていて、関心のない学部に入学するなどミスマッチを抱えながら学生生活を送ることになります。
 
もう一つの注意点として、出願の際に「併願」を受け付けない大学もあります。上記の青山学院大学や早稲田大学、中央大学などでは併願が可能ですが、立命館大学などは「専願」のみなので、合格した場合には必ず入学手続きを行う必要があるのです。
 

卒業後の進路や年収は?

スポーツ推薦で入学すると、大学や教授、一般受験を経て入学した学生からも「体育会系学生」とみなされることでしょう。大学の体育会系にもさまざまありますが、特に有名大学や強豪チームなどの運動部に所属する、いわゆる「エリート体育会系」であれば、大企業からの評価も高いといわれています。
 
さらに、運動部では先輩後輩の絆が強いため、就職を希望する大企業に卒業生が所属している場合には、有利に就職活動を行えるケースがあります。将来的な年収についても、大企業に就職できれば相応の年収を得る可能性も高いことでしょう。
 
ただし、入社後のキャリアにアスリート学生であることが役立つ機会は、そうそうないかもしれません。スポーツ推薦で入学した場合には、部活動と学業を両立する必要があります。つまり、学業成績があまりに悪かったり、部活動を途中で辞めてしまったりすると、このような恩恵を得ることは難しくなるのです。
 

文武両道を目指しましょう


 
スポーツ推薦で進学できると受験勉強の負担が少なくなるからといって、入学後の学業や部活動まで楽になるわけではありません。逆に、部活動での高い成績が求められるような環境であれば、両立が難しくなることもあります。
 
とはいえ、就職活動の時期になると、体育会系ならではの恩恵が一定程度期待できる可能性はありますが、同じ部員に不祥事があると、卒業後も厳しい目で見られがちです。
 
大多数のアスリート学生は大学で競技から離れ、社会人になりますが、競技やトレーニングに真摯(しんし)に向かう姿勢やチームワークなどの経験は、一般の学生では得難いものがあります。一般学生以上に、綿密な計画を立てて、文武両道の学生生活を送り、卒業時に文武ともに社会で生かせる経験を持ち合わせておくことが望ましいでしょう。
 

出典

青山学院大学 2023年度 入学者選抜概要 5 【学校推薦型選抜・総合型選抜・その他の選抜】

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部