2014年1月にスタートした少額投資非課税制度のNISAですが、その後にジュニアNISA、つみたてNISAも登場し、現在では多くの方が資産運用に利用しています。2023年1月からは一般NISAやつみたてNISAの利用可能年齢が18歳となり、さらに2024年1月からは新しいNISAの制度が開始されます。   ここでは、あらためてNISAの基本的な非課税投資枠の取り扱いなどを確認するほか、新しいNISAへの移行などについてチェックしてみたいと思います。

NISAの非課税投資枠、非課税期間、投資可能期間とは

NISAの制度を正しく理解するためには、用語の定義の理解が重要です。以下では、現行の一般NISAの制度の概要を例に説明していきます。
 

(1)非課税投資枠

毎年(1月から12月)の一般NISAの取り扱いとして、株式や投資信託などの金融商品を120万円まで非課税で購入することができます。非課税期間は購入した年から5年間のため、非課税投資枠は最大で600万円となります。
 
ただし、その年の非課税投資枠に未使用分があった場合でも、翌年に繰り越すことはできません。また、NISA口座内で投資信託の収益分配金の再投資やスイッチング(乗り換え)をする場合にも、その分の非課税投資枠が必要となります。
 

(2)非課税期間

一般NISAでは、金融商品を購入した年から最大5年間は投資から得られる配当金、分配金や譲渡益が非課税となります。例えば、2022年の購入分は、2026年まで非課税で保有することができます。
 

(3)投資可能期間

現行の一般NISAは、2014年から2023年までが投資可能期間となっています。2024年以降は、後述する「新しいNISA」に移行することができます。
 

5年間の非課税期間を終わる場合の選択肢

NISAの利用開始時期は人それぞれですが、一般NISAの場合、すでに5年間の非課税期間が終わることを経験している方も多いと思います。例えば、2022年末に非課税期間を終えるのは、2018年に購入した分です。その際の選択肢には、以下の3つの方法があります。
 

(1)翌年分の非課税投資枠に移管する(ロールオーバー)

引き続きNISAの取り扱いとして金融商品を保有したい場合には、翌年分の非課税投資枠を使ってロールオーバーすることができます。
 
2022年に非課税期間を終えるケースを例にすると、2023年の非課税投資枠(120万円)を使って保有している金融商品を移管することができます。移管した分の非課税期間は5年間のため、2027年までとなります。
 
ロールオーバーできる金額に上限はなく、120万円を超過している場合でもすべて翌年の非課税投資枠に移管することができます。ただし、新たな金融商品への投資には、ロールオーバー後に残った非課税投資枠の分しか使うことができないため、注意が必要です。
 

(2)課税口座に移管する

NISA口座の翌年分の非課税投資枠を利用せずに、特定口座や一般口座(課税口座)に移管することもできます。
 
当然ながら非課税期間終了後の取り扱いは、所得税等の課税対象(通常、20.315%の課税)となります。
 

(3)売却する

2022年に非課税期間を終える例では、保有する金融商品を2022年末までに売却すれば、譲渡益が出た場合でも非課税となります。
 
ちなみに譲渡損が出た場合は、他の特定口座などとの損益通算はできませんので注意が必要です。
 

2024年からの新しいNISAへの移管とは

投資の原則ともいえる長期・分散・積立を促進する目的で、2024年1月から開始する新しいNISAでは2階建ての非課税投資枠が設けられます。
 
非課税期間は現行の一般NISAと同じく5年間で、1階部分の非課税投資対象はつみたてNISAの対象と同様に一定の投資信託となり、非課税投資枠は年間20万円まで、最大100万円です。2階部分は株式、投資信託を対象として、年間102万円まで、最大で510万円となります。
 
現行の一般NISAで保有している分で非課税期間を終える場合は、新しいNISAの2階部分の非課税投資枠へロールオーバーにより移管し、継続保有することが可能となっています。なお、新しいNISAの1階部分で5年間の非課税期間を終えた場合には、つみたてNISAの非課税投資枠にロールオーバーができます。
 

まとめ

NISAからつみたてNISAへの変更は、年単位で行うことが可能です。同一の金融機関(同じNISA口座内)での切り替えの場合は原則、変更する年の前年10月から12月の間に、また金融機関を変更する場合は、変更する年の前年9月末までに変更手続きを完了する必要があります。
 
20.315%の課税と非課税とでは、受け取る金額に大きな隔たりがあります。せっかくの非課税という優遇措置を最大限に有効活用できるよう、制度を正しく理解しておきましょう。
 

出典

金融庁 NISAとは?

 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー