中学生以下の子を対象に支払われる児童手当。友人のAさんは毎月2万円もらっているようですが、Bさんは全くもらっていないそうです。なお、2人とも夫、子2人の4人家族という点では同じですが、児童手当の受給状況が異なるのは2人の世帯年収が異なるからでしょうか。また、児童手当の対象となるかどうかで世帯年収が分かってしまうものでしょうか。   本記事ではこれらの疑問に対して解説します。

友人が専業主婦の場合

0歳から中学生以下の子を持つ家庭には児童手当が支給されます。その金額は以下のように子の年齢や人数によって変わりますが、1人当たりの支給額は最高月1万5000円です。
 

●0歳〜3歳未満 一律1万5000円/月
●3歳〜小学校修了まで 第1子〜第2子、1万円/月、第3子以降、1万5000円/月
●中学生 一律1万円/月

 
ただし、児童手当には所得制限が細かく設定されているため、満額受給できるとは限りません。例えば、夫、妻(専業主婦)、中学生以下の子2人という家族の場合、夫の年収が960万円以上であれば、児童手当の金額は子1人当たり月5000円と少なくなります。これを「特例給付」と呼び、子の年齢や人数に関わらず、一律月5000円になります。
 
ただし、同じ家族構成であっても、夫の年収が1200万円以上であれば、「特例給付」は行われません。つまり、この家族に児童手当は全く支給されません。そのため、Bさんが専業主婦で、児童手当を1円ももらっていないとする場合、夫の年収は1200万円以上であることが推定されます。
 
また、児童手当を受給するには住んでいる市町村の役場に申請することが必要です。Bさんの家族が児童手当をもらっていないのは、夫の年収が1200万円以上であるからではなく、単に申請していないからという場合もあるでしょう。
 
なお、子が2人ではなく、1人の場合、夫の年収が917万8000円以上であれば、「特例給付」の対象となり、夫の年収が1162万以上であれば、児童手当は全く支給されません。このように、子が2人の場合に比べ基準額は約40万円少なくなりますが、夫の年収額を推定することは可能です。
 

共働き家庭の場合

ところで、「専業主婦」とは主に年収が103万円以下の扶養家族である配偶者を指していますが、年収がこの金額を上回る場合は、「特例給付」や児童手当の基準額が変わってきます。例えば、夫、妻(年収は103万円を超える)、中学生以下の子ども2人という家族の場合、夫の年収が917万8000円以上であれば、「特例給付」の対象となり、夫の年収が1162万以上であれば、児童手当は全く支給されません。
 
なお、夫より妻の年収の方が多い場合は、妻の年収を基準にして判断します。このように、夫と妻の年収をそれぞれ分けて判断しますので、ある家族が児童手当を全くもらっていないことから分かるのは、夫または妻の年収が1162万円以上であることのみで、2人の年収を合わせた世帯年収は推定できません。
 
例えば、友人のAさんの年収は700万円、夫の年収も700万円で世帯年収は1400万円であっても、それぞれの年収は917万8000円未満ですので、児童手当は満額が支給されます。これに対し、Bさんは専業主婦で、夫の年収は1200万円、世帯年収も1200万円の場合、Bさんの家族は児童手当の対象になりません。
 

児童手当を受給しているかどうかで世帯年収がバレるとは限らない


 
児童手当には所得制限が細かく設定されているため、それをもらっているかどうかで、世帯主の年収はある程度、推定できます。つまり、中学生以下の子が2人いて、児童手当を満額で支給されている世帯は世帯主の年収が約918〜960万円未満と考えられます。
 
なお、2022年10月からは、夫、妻(専業主婦)、中学生以下の子が2人という家庭の場合、世帯主の年収が1200万円以上であれば、児童手当は全く支給されなくなりました。これより家族構成と児童手当が支給されているかどうかが分かれば、世帯主の年収(最低額)を推定することができます。
 
ただし、夫の年収は600万円、妻の年収も600万円の場合、世帯年収は1200万円になりますが、児童手当を満額受給することができます。そのため、児童手当の金額で夫婦それぞれの年収を合わせた世帯年収まで推定できるわけではないということも覚えておきましょう。
 

出典

内閣府 児童手当制度のご案内

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部