2022年は世界的に物価が大幅に上昇した年です。日本も例外ではなく、実際に日常生活で物価上昇を実感する機会が増えたという人も多いのではないでしょうか?   中でも、電気代やガス代などの光熱費は、物価上昇の影響を受けやすい分野とされますが、実際のところ、2021年と比べて2022年の夏は光熱費がどのくらい増えたのでしょうか?   総務省統計局が毎月公表している「家計調査報告(二人以上の世帯)」を基に検証してみることにします。

2022年の夏は消費支出全体が増えている

総務省の報道資料によれば、2022年の6〜8月の消費支出は前年同月に比べて3〜5%ほど増えています。特に2022年8月は、前年同月比で実質5.1%も消費支出が増えており、やはり物価の上昇が日ごろの支出にも大きな影響を与えているようです。
 
ただ、消費支出に大きな影響を与えているのは、「食費」や「住居費」より「保険医療」や「交通・通信」などであり、「交通・通信」に関しては、2021年8月より2022年8月は実質11.6%も消費支出が増えています。
 

光熱費は2021年夏に比べて上がっているのか

2022年夏の光熱費に関しても、金額そのものは、2021年に比べて上昇しています。
 
同じ総務省の報道資料によれば、2021年の光熱・水道の金額は6〜8月にかけて、下記のとおりです。
 

2021年6月……1万8747円
2021年7月……1万7099円
2021年8月……1万9052円

 
一方、2022年の光熱・水道の金額は、6〜8月にかけて、下記のとおりです。
 

2022年6月……2万753円
2022年7月……1万9207円
2022年8月……2万1341円

 
2022年における光熱・水道の名目的な消費支出は10〜12%ほど上昇しています。
 
このように、2022年夏の光熱費が2021年に比べて大きく増えているのは、やはり、物価の変動によって電気代やガス代が上昇した影響のようです。
 
ただし、この消費支出の上昇はあくまで名目的な数値にすぎません。実際、物価の変動による影響を除いた実質増減率は、2022年6月〜8月にかけて前年同月比3ヶ月連続で減少しています。
 

名目と実質の違いから読み解く本当の消費支出

消費支出における光熱・水道の金額は、名目的には2021年より2022年の方が高いです。つまり、額面だけで見れば光熱・水道費用は上がっているといえます。
 
ただ、この1年でエネルギー関連の物価は大幅に上昇しました。にもかかわらず、日本ではまだ、名目的な消費支出の上昇率が10%程度で推移しています。すなわち、光熱・水道の料金に関しては、物価が大幅に上昇した割には、そこまで金額に反映されていないということです。
 
物価の変動を除いた光熱・水道料金の実質増減率が、2022年6〜8月にかけて3ヶ月連続で前年同月比減少しているのもこのためです。
 
ただ、光熱費などエネルギー関連の値上がりは、ほかの品目に比べてタイムラグがあるともいわれます。そのため、2022年夏以降は、実質的にも光熱・水道費の消費支出が増大していくと考えられ、予断を許さない状況だといえそうです。
 

光熱費は今後も値上がりするかも! この先の情報を注視

月々の消費支出で見た場合、額面では光熱・水道費用は少しずつ上昇しているといえます。これは、全体的に物価が上昇しており、光熱・水道費用もその影響を受けたためだと考えられます。
 
ただ、実質的な数値では、家計支出の面では必ずしも光熱・水道費用の負担が上昇したとはいえません。光熱費に関しては、物価変動の影響が今後やってくるかもしれないため、この先もエネルギー関連の物価情報には敏感になっておく必要があるでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 月次報告(e-Stat)

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部