銀行口座の預金ではなく、自宅のタンスや金庫などで現金を保管している人もいます。   親の財産を相続したときは相続税が発生しますが、親が自宅で保管していた現金にも相続税が発生するのかどうか疑問を持つ人は多いかもしれません。   そこで、今回は、親が自宅で保管していた現金を相続した場合の相続税の考え方について解説していきます。

現金の相続にも相続税が発生する

国税庁のホームページを見ると、相続税の対象となる財産とは「現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべて」と書かれています。つまり、自宅保管の現金も相続税の対象になることを意味しています。
 

相続税はいくらから発生するのか?

親から現金を相続した場合、いくらから課税されるのか気になる人は多いのではないでしょうか。
 
まず知っておきたいのは、相続税は財産ごとで考えるのではなく総額で計算されるということです。そして、この総額の中には先ほど説明した通り「現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など」がすべて含まれます。
 
これらの財産を合算した総額から、債務、葬式費用、非課税財産などを差し引いて「課税価格」を算出します。さらに、みなし相続財産、相続時精算課税の贈与財産、相続開始前3年以内の贈与財産を加算して「正味の遺産額」を出し、基礎控除額を差し引いた額が「課税遺産総額」です。
 
この場合の基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」となっています。
 
例えば、親の財産を子ども2人で相続する際の基礎控除額は「3000万円+600万円×2」で4200万円です。「課税価格の合計額」が基礎控除額を下回るときは相続税は発生しません。
 

非課税財産とは?

非課税財産の対象になるのは、墓地、墓石や仏壇、祭具などのほか、国や特定の公益法人、相続や遺贈によって取得した財産、生命保険金、死亡退職金などです。生命保険金は「500万円×法定相続人の数」、死亡退職金は「500万円×法定相続人の数」が上限となっており、それを超える額は課税対象になります。
 
親が自宅に現金を保管していた場合、葬儀費用などに充てることを目的としている可能性もあります。銀行口座の預金については、名義人の死亡を銀行側が知った時点で凍結されるのが一般的です。通常は、相続手続きが完了するまで凍結されることになるため、手元に現金があれば葬儀などの準備も慌てずに済むでしょう。
 
ただし、現金も相続の対象で課税されることから、親が保管していて記録がないお金といっても扱いには注意が必要です。法定相続人全員が現金の額を把握できるようにし、そのうえで葬儀費用などに充てることが求められます。誰か1人が勝手な判断をして使うことがあれば、後でもめごとにつながる恐れも出てきます。
 

親が家で保管していたお金も相続税の対象になる


 
親が家で保管していたものであっても、現金は相続の対象であり相続税が発生します。実際には住居など他の財産と合算したうえで納税額を算出しますが、手元にある現金だからといって勝手な判断で使うことがないようにしましょう。
 
他の財産も含めて金額がかなり大きい場合は、弁護士など専門家を入れて適切に整理してもらうのもいい方法です。
 

出典

国税庁 No.4105相続税がかかる財産
国税庁 財産を相続したとき
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー