2020年5月29日に成立した年金制度改正法により、パートやアルバイトでも一定の要件を満たすことができれば、社会保険に加入することができるようになりました。   この改正は、従業員数500人超え(501人以上)の規模の企業では、2016年10月から開始していますが、2022年10月からは従業員数100人超え(101人以上)の企業でも適用が開始されました。この内容について詳しく見ていきましょう。

適用対象者

冒頭のとおり、2022年10月からは、従業員数101人〜500人の企業が適用となりましたが、その企業で下記のすべての条件に当てはまる従業員の方が対象となりますので、パート・アルバイトの方はご自分が対象となる働き方をしているか確認をする必要があります。
 

(1)週の所定労働時間が20時間以上
(2)月額賃金が8.8万円以上
(3)2ヶ月を超える雇用の見込みがある
(4)学生ではない

 

社会保険加入のメリット

社会保険に加入することで、次のメリットを享受できます。
 

(1)年金が充実します

1. 年金が2階建てになります。
国民年金加入で受け取れる老齢基礎年金に加えて、老齢厚生年金が受給できるだけでなく、病気やけがなどで障害と認定された場合に支給される障害年金、および被保険者が亡くなったときに遺族に支給される遺族年金も、それぞれ2階建てとなり、給付額が上乗せとなります。
 
2. 障害年金の補償がワイドになります。
障害年金は、国民年金のみだと障害等級が1級もしくは2級が支給対象でしたが、厚生年金に加入すると、障害厚生年金の上乗せがあることに加え、3級やそれよりも軽度な障害でも支給の対象となり、補償がワイドになります。
 

(2)健康保険が充実します

1. 傷病手当金
業務外の理由による療養で働けない場合に、働くことができなくなった日から起算して3日を経過した日から最長1年6ヶ月の働けない期間に、給与の3分の2相当である傷病手当金を受給できます。
 
2. 出産手当金
被保険者が出産のために会社を休んで給与が受け取れない場合に、産前42日、産後56日までの間、給与の3分の2相当の出産手当金を受給できます。
 

増加する年金額と保険料は?

(1)増加する報酬比例部分の年金額(月額)目安

厚生年金に加入することで、従来から受給資格があった老齢基礎年金に加えて、表1の年金額が上乗せとなります。
 
【表1】
 

 
ただし、配偶者の扶養内に入っていたのか、国民年金に加入していたのか(国民年金は60歳未満が加入)によって年金額が異なりますので、ご自身の年金額を正確に知りたい方は、日本年金機構の「ねんきんネット」で調べるとよいでしょう。
 

(2)厚生年金加入後の年金保険料(月額)の目安

 
厚生年金に加入したあとの年金保険料の目安は、表2のとおりです。
 
【表2】
 

 
ただし、この保険料も(1)同様、その方の属性などによって異なりますので、詳細は「ねんきんネット」で確認してください。
 
今後の働き方をどのようにしようか検討中の方は、まずご自身の状況をしっかり理解しましょう。
 

出典

厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト「パート・アルバイトのみなさま」

 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー