現在は片働き世帯よりも共働き世帯の方が多い時代になりました。20年ほど前までは「妻は第3号被保険者」という方がほとんどでしたが、現在では妻も年金保険料を払っている夫婦も珍しくありません。   「夫婦共働き世代の年金はどのくらいもらえるのか?」と考えている方もいるでしょう。   本記事では、会社員や公務員などの職業別に共働き世代の年金受給額の平均を紹介します。

共働きの夫婦は年金も増える?

共働き夫婦でも、一律に年金が増えるとは限りません。内閣府の男女共同参画局が発表している「男女共同参画白書 令和4年版」によると、令和3年の男性の非正規雇用者は652万人(21.8%)なのに対し、女性の非正規雇用者は1413万人(53.6%)です。
 
年金には「国民年金」「厚生年金」の2種類があり、国民年金は日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の方の全員が加入します。一方、厚生年金は会社に所属する人が加入する年金です。
 
ただし、非正規雇用の人が厚生年金に加入するには、年収106万円(月額8万8000円)を超えるなどの要件を満たす必要があります。したがって、共働きでもどちらかが非正規かつ厚生年金に加入していない場合は、年金が目に見えて増えることはありません。その一方で、夫婦とも正社員で働いていて厚生年金に加入している場合は、年金が増えます。
 

夫婦共に正社員・公務員・自営業の場合の年金平均額

本項では、夫婦共に正社員・公務員・自営業、それぞれの年金平均額を紹介します。年金額は厚生年金の加入の有無で差が出ます。老後の生活計画を正確に立てるためにも、40歳を超えたらおおよそでよいので将来もらえる年金額を把握しておきましょう。
 
それにより、民間の年金保険に加入したりiDeCoを始めたりと老後の生活資金計画を修正できます。なお、厚生年金は収入によって変わるため、「日本年金機構」が公表した「夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額」を用いて説明します。
 
なお、以下で示す金額は全額もらえるわけではなく、税金や社会保険料などの負担がありますので注意してください。
 

夫婦共に正社員の会社員

夫婦共に正社員の場合は、国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)の両方をもらえます。
 
夫婦共に正社員で共働きをした場合、それぞれが国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)の両方をもらえます。65歳以上からもらえる、老齢厚生年金は、「報酬比例年金額 + 経過的加算 + 加給年金額」という計算式で求められ、個々に異なります。
 
厚生労働省が公表している、「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、老齢厚生年金加入者の受給額の平均は、2020年の年度末時点で月額14万6145円です。したがって、夫婦2人で平均額の厚生年金をもらった場合は、月額約29万円となります。
 

夫婦共に公務員

公務員はかつて「共済年金」に加入していましたが、2015年より廃止されて厚生年金に一元化されています。そのため、もらえる年金は夫婦とも正社員のケースとほぼ一緒で、22万496円円と考えてよいでしょう。
 
かつて、公務員は高額な年金をもらえるイメージがありましたが、今は決して「多い」とはいえません。それでも、退職金が安定して出る職場なので、老後の生活資金は比較的安定しているといえます。
 

夫婦共に自営業

夫婦共に自営業の場合は、厚生年金に加入していません。したがって、もらえる年金は老齢基礎年金のみです。月額は夫婦で6万5075円×2となるので13万円程度です。月額10万円台のみの収入で暮らしていくのは、かなり厳しいでしょう。
 
したがって、年金保険やiDeCoに加入するなど、老後の資金計画をしっかりと立てていくことが重要です。また、自営業には「定年」がありません。高齢になっても続けていきやすい仕事の場合は、健康に気をつけて70歳以上になっても働くという方法もあります。
 

共働きでももらえる年金額は異なる

共働きといっても、一律にもらえる年金が倍になるわけではありません。年収や働き方によって、もらえる年金額は異なります。夫婦共働きで勤続30年以上ならば、夫婦のどちらかが扶養に入っているケースに比べると2倍近い年金額がもらえることもあるでしょう。
 
しかし、実際は女性のほうが出産や育児でキャリアを途切れさせがちです。したがって、年金保険料を納付していくのと同時に、家計費の余裕分を年金保険やiDeCoに回して老後資金を積み立てていくのがおすすめです。
 

出典

内閣府 男女共同参画局 男女共同参画白書 令和4年版 第1節 就業
厚生労働省年金局 令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部